スマホのマナーモードも、オートフォーカスも...世界最小「モーター」は白木社長が開発した 今度の挑戦は「風力発電機」だ!/コアレスモータ 社長・白木学さん

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携帯電話の「マナーモード」に採用 ピーク時1200万個をつくった!

従来型のモーターと「コアレスモーター」との比較を説明する白木社長
従来型のモーターと「コアレスモーター」との比較を説明する白木社長

――「リニアモーター」にコアレス方式の技術を加えて、業界最小型、最軽量、高出力と高効率を実現した、世界にたった一つのモーターをつくりました。どのような製品に使われているのか、教えてください。

白木社長 モーターは動力です。そういうと大きなものを思い浮かべてしまいますが、小さいものでも大きいものでも動かせるのがモーターです。つまり、動かすものに応じて、それなりの大きさのモーターが必要なのです。たとえば、携帯電話には小さなモーターが必要です。
1980年、それにコアレス方式の技術を応用してリニアモーターを開発しました。これを使って、超薄型のコアレス・ファンモーターを開発。パソコンの熱を逃がすファンの動力として、米インテルPentium第1世代に正式使用されたのが、1994年のことでした。
同じ年に、米モトローラの振動モーター(マナーモード)に採用されたのもそうですが、みなさんが携帯電話で使っているオートフォーカスにも、私が発案したリニアモーターが採用されています。2001年のことでしたね。
それにより、携帯電話のカメラでデジタルカメラのように自動で焦点を合わせることができるようになりましたが、最初に採用してくれたのがシャープとApple(iPhone)でした。

――米モトローラ―製の携帯電話に、コアレスモーターが使われていたのですね。

白木社長 ええ。携帯電話のバイブレーションですね。ブルブルと震える。振動モーターで動いているのですが、これが携帯電話に使われています。いわゆる、「マナーモード」です。
その頃の振動モーターの状態としては、コイルを巻いている基盤の個所が非常に柔らかくなっているわけです。それが携帯電話には、ちょうどよかった。この振動モーターが1994年に米モトローラがマナーモードとして世界で最初に採用した、世界最小のモーターなんです。
当時、日本の大手メーカーでの採用が決まりそうだったのですが、「着信がわからないと電話の意味がない」と、導入目前で却下されてしまったのです。ところが、少ししてモトローラから「誰にも気づかれないように着信を知りたい」と、いわゆる警察や軍事用として使う方向で検討したいと連絡がありました。
それで採用が決まったのですが、なんともアメリカらしいと思いました。それが今、みなさんが使っているiPhoneの中にも、うち(当時はシコー技研)の製品が使われるようになったのです。最盛期で1200万個ぐらい、つくりましたね。
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