デンマークの企業を買収し、ビジネスノウハウを吸収
2022年6月期のセグメント別売上高(除く調整額)の構成比は、海外加工事業の33.3%と国内加工事業の31.0%が並び、養殖事業の17.9%と海外卸売事業の17.8%が続きます。
一方、同セグメント利益構成比は、国内加工事業が最も大きく42.4%、次いで養殖事業が27.4%で、この2つを加えると約7割に。海外加工事業は19.9%、海外卸売事業は10.3%でした。
同セグメント利益率は、養殖事業が21.1%と最も高く、次いで国内加工事業が18.8%。海外加工事業は8.2%、海外卸売事業は8.0%。事業ごとの利益率には差があるようですが、垂直統合型ビジネスなので、いずれかの事業だけに特化することは難しいでしょう。
オカムラ食品工業は、1971年に水産加工品製造販売を目的として青森県青森市に設立。2005年に持続可能なサーモン養殖ビジネスのノウハウを得ることを目的に、デンマークのMusholm A/Sを買収しました。
デンマークのジーランド島の西海岸にあるMusholm A/Sでは、年間約3500トンのサーモントラウトを「生産」。ノルウェーとの差別化を図るため卵を持たせる養殖を行っており、それを自社では国内加工事業に使用するほか、自社以外にもヨーロッパ各地に販売しています。
2017年には日本産の養殖サーモンを大規模に養殖することを目的に、青森県西津軽郡深浦町に日本サーモンファームを設立しました。一時はベトナムや北米での事業展開していましたが、現在はシンガポールとマレーシア、台湾およびタイに拠点を置いています。
海外加工事業は、ミャンマーの自社グループ工場のほか、ベトナムの大手水産加工工場とパートナー契約を締結しています。