投資デビューのときに用意した資金、いわゆる元手はいくらでしたか?
この質問には、39.9%の人が「50万円未満」だったことが、テクニカル分析専門サイト「テクニカルブック」を運営するアドバンの調べでわかった。2023年8月21日に発表した。
また、初めての投資先は国内株式か投資信託が大多数を占めており、少額の資金で株式や投信から、投資を始めている人が多いことがわかった。
投資のきっかけ、老後生活への不安と低金利
調査によると、「現在、投資に取り組んでいる」と答えた20歳以上の男女303人に、投資を始めたきっかけを聞いたところ、「老後の生活資金/年金に不安を感じた」と「投資に回せる余裕資金ができた」と答えた人が、ともに30.7%で最も多かった。
第3位は、「低金利で預貯金に付く利息が少ないことに不満を感じた」と答えた人で29.7%。第4位は、27.4%で「副収入/不労所得を得たいと考えた」となった。
老後の生活に対する不安や低金利といった環境がきっかけとなり、投資を始めた人が多く、また資金的に余裕ができたことから、投資を始める人も多くみられた。
第5位は「投資の非課税制度(NISA/iDeCoなど)を知った」と答えた人で15.8%、第6位は「経済/金融について学びたいと感じた」の12.2%、第7位が「家族/友人/知人などに勧められた」の10.9%だった。【グラフ1参照】
また、「最初に用意した投資資金はいくらですか?」(n=303)との問いには、26.7%の人が「100万円?299万円」と答え、最も多かった。
次いで、「10万円未満」が23.4%、「10万円?49万円」が16.5%で、これを合わせた39.9%の人の投資デビュー時の資金が「50万円未満」だった。「50万円~99万円」は8.9%。
その一方で、「1000万円以上」の人は6.3%だった。【グラフ2参照】
調査の結果、4人に1人が10万円未満で投資を始めていることから、数百万円ものお金がないとできないと思われていた投資が、「少額からでも問題なく始められる」ようになってきたことがうかがえる。
初めての投資先、「国内株式」「投資信託」群を抜く人気
次いで、初めて投資した金融商品は何ですか?(n=303)と聞いたところ、最も多かったのは「国内株式」で48.2%、第2位は「投資信託」の32.0%で、群を抜いて人気だった。国内株式や投資信託は、初めての投資先として定番となっていることがうかがえる。
第3位は「FX(外国為替取引)」で5.3%、これに僅差の第4位が「債券(国債など)」の5.0%で続いた。「外国株式」は3.3%だった。【グラフ3参照】
こうした調査結果から、「テクニカルブック」はデビューした個人投資家像を、
「老後生活に対する不安を背景に、余裕資金ができたら投資を始める人が多いことがわかります。また、まとまった資金を用意して大きく投資を始めるのではなく、少額の資金で国内株式や投資信託を購入して、小さく投資を始める投資家の姿が見えてきました」
とコメントしている。
なお、調査は「現在、投資に取り組んでいる」と答えた全国の20歳以上の男女を対象に、2023年7月13日~14日にインターネットで実施した。有効回答者は、303人。