女性管理職の多さの最高はサービス業、最低は建設業
政府は2020年策定の「第5次男女共同参画基本計画」で、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となる取り組みを求めている。しかし、東京商工リサーチの調査では、上場1706社の女性管理職比率は、平均9.4%で1割に届かなかった。「30%以上」は73社(同4.2%)にとどまった。
一方、女性管理職比率がゼロは76社(同4.4%)で、製造業41社、卸売業と小売業が各9社、運輸・情報通信業とサービス業が各5社などで、製造業が突出して多いのが特徴だ。
業界別にみると、女性管理職比率の最高はサービス業(19.8%)。サービス業は女性の感性が生かされる職場が多く、女性社員の多さも女性管理職への登用につながっているとみられる。一方、最低は建設業(3.2%)で、次いで電気・ガス業(4.0%)、製造業(6.1%)と続いた。
そもそも、男女の賃金格差の背景には、女性管理職の比率の低さがある。時代に合わせ、企業が女性管理職比率をどう高めていくか注目される。
調査は東証など全証券取引所に株式上場する企業のうち、2023年3月期決算(7月31日までに有価証券報告書を提出)を対象に、有価証券報告書の「労働者の男女の賃金の差異」「管理職に占める女性労働者の割合」を集計した。(福田和郎)