女性賃金が男性より高い、JBCCホールディングスの「心意気」
一方、女性の賃金が男性を上回った企業が6社あった。トップはITサービスのJBCCホールディングス(東京都)の118.2%で、女性の賃金が男性を1割上回る。同社のホームページをみると、事業は企業のデジタル・フォーメーション(DX)支援とあり、「女性活躍推進法行動計画」として、グループ企業各社に「2024年6月までに新卒採用における女性の割合を50%以上にする」「管理職における女性の割合を10%以上にする」という目標を掲げている。
保育園手当なども完備、またグループ全体の「業績褒賞」をみると、女性社員の名前があがるなど、女性の登用に熱心な会社のようだ。
ちなみに、IT関連企業は男女の賃金差が最も少ないのが特徴だ。産業別で賃金差異の最小は、運輸・情報通信業(75.0%)。次いで、サービス業(74.4%)、小売業(74.2%)の順。逆に、賃金差異の最大は、金融・保険業(63.6%)で、男女差異が約4割あった。金融・保険業は、一般職と総合職のほか、営業報酬の残る企業もあり、男女格差が広がったかたちだ【図表3】。
金融・保険業で男女差異の最大は、信販会社のオリエントコーポレーション(東京都)の48.5%で、女性は男性の賃金のほぼ半分にとどまる。これは「全国転勤のない職種に女性社員が多いことが賃金差異につながった」(有価証券報告書)。