初の調査で判明、上場企業の女性正社員給与、男性より約3割低い! 男女格差上位10社...2位の日本航空を抜いた1位企業の「事情」とは

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   2023年の日本の「ジェンダーギャップ指数」は146か国中、125位という恥ずかしい結果になった。その中には、企業における男女の賃金格差の大きさと、女性管理職のあまりの少なさも影響している。

   そんななか、東京商工リサーチが2023年8月25日、初めて上場企業の男女賃金格差を調べた「2023年3月期決算上場企業『正規労働者の男女賃金差異』の状況調査」を発表した。

   それによると、正社員でも女性の給料は男性より約3割低く、女性管理職も1割に届かない、お寒い実態が明らかになった。いったい、どうして?

  • 女性が男性と同等の賃金で働くには(写真はイメージ)
    女性が男性と同等の賃金で働くには(写真はイメージ)
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「男女賃金格差大国」ニッポン、実態が有価証券報告で明るみに

   まず、【図表1】をご覧いただこう。厚生労働省の公式サイトに掲載されている日本と英国、ドイツ、フランスの男女間賃金格差の推移を表わしたグラフだ。各国のフルタイムの労働者について、男性と女性の賃金の差(男性の平均賃金-女性の平均賃金)を男性の平均賃金で割った割合だ。

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(図表1)日英独仏の男女賃金格差(OECD)(厚生労働省公式サイトより)

   2021年の日本の数字は22.1%。つまり、男性と女性の賃金の格差が2割近いことを示している。一方、英国、ドイツ、フランスは10%台の前半だから、男性と女性の賃金の格差が1割程度しかないわけだ。日本は1975年以降、一貫して英国、ドイツ、フランスに比べ、「男女賃金格差大国」であり続けている。

   そこで、まず上場企業から賃金の男女格差をなくそうと、2022年7月に女性活躍推進法を施行された。2023年3月期決算から上場企業は「男女賃金差異」と「女性管理職比率」など女性活躍の具体的な取り組みを有価証券報告書などに記載することになった。記載するかどうかは、常用従業員301人以上が「義務」となり、101人以上300人未満が「努力義務」となった。

   東京商工リサーチの調査は、2023年3月期決算の全国2456社のうち、有価証券報告書に「正規雇用の男女賃金差異」を記載した1677社を対象にしている。東京商工リサーチの計算方法は、厚生労働省の計算方法と異なり、「女性の平均年間賃金÷男性の平均年間賃金」という数式を使っている。

   厚生労働省の調査が、男女の格差がどのくらい大きいかを問題にしているのに対し、こちらは男性に比べて女性が受け取る賃金の低さを問題にしているわけだ。

   その結果、上場1677社の正社員の男女賃金差異は平均71.7%だった。数値が100%に近くなるほど、男女平等賃金になる。賃金差異の最多は「70.0%以上75.0%未満」(23.5%)だった。次いで「75.0%以上80.0%未満」(21.8%)、「65.0%以上70.0%未満(同18.3%)と続く。

   記載した上場企業では、いずれも入社年次や職位・業務が同じ場合、男女の賃金差はないとしている。しかし、さまざまな社内事情から、正社員の男女差が大きく出てしまった企業がある。【図表2】が、その「上位10社ランキング」(数値が小さいほど、女性賃金が低い)だ。

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(図表2)正規労働者の男女賃金差異ランキング(東京商工リサーチの調査)

   賃金差異の最大は、電気機器のファナック(山梨県)の39.7%。同社の有価証券報告書によると、「女性の正規雇用労働者に占める工場契約社員(無期転換社員=契約社員が更新を重ねて5年を超え、無期契約に変わる人)の割合が6割程度と大きいことが主な要因」であるという。つまり、契約社員から正社員になった女性が6割いるとうことだ。また、「現在在籍している女性の経験年数が比較的短く、女性の幹部社員比率が小さいことも差異の要因」という。

   2位の空輸業の日本航空(東京都)は45.3%で、「正社員の男女の賃金差異は、職種別に異なり、それぞれ勤続年数の影響を受けていることが考えられる」(同)とした。パイロットや空港事務職など、職種の間に大きな賃金差があることが要因のようだ。

   3位の建設業の創建エース(東京都)は45.8%で、「男性管理職に対し、女性は入社したての社員がおり、賃金差異が大きくなった」とコメントしている。

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