「ジャクソンホール会議」パウエルFRB議長はさらなる利上げの可能性を強調したが、逆に市場では「利上げは年内で終了」の見方が強まった

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経済指標の結果に、再び利上げを促すようなサプライズなものが出ない限り...

   たしかに講演内容は、パウエル議長のインフレ抑制に対する強い意志を示すものだったが、市場では金融引き締め(利上げ)政策の終了観測を覆すことができなかった。むしろ、「利上げは年内で終了」との見方が強まった感がある。

   ひとつには、パウエル議長が次回9月のFOMCで、政策金利を据え置く可能性があることを示唆した点も、市場の年内での利上げ終了観測に結び付いた側面もあるだろう。

   結果、パウエル議長の講演後に下落に転じた株価は、再び上昇に転じ、NYダウは前日比247ドル高で取引を終えた。

   大きなイベントだったジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演を、その内容がさらなる利上げの可能性があることを強調したものだったにもかかわらず、無事に通過したこと、さらに、次回9月のFOMCでの利上げがないとの見方が強まったことで、米国の利上げ観測は、目先、相場の材料としての重要度は低下しただろう。

   むしろ、米国の経済指標の結果が、再び利上げを促すようなサプライズなものが出ない限り、市場では利上げは年内で終了という見方を既定のスケジュールとして捉えていくものと思われる。(鷲尾香一)



【プロフィール】
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト


元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。

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