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24~34歳の転職、微増傾向 転職未経験者の不安に「いい人間関係が築けるか」「年収が下がるかも」「転職先の社風」「新しい環境への適応」

   多くの企業が求める24~34歳のビジネスパーソンは転職に対して、どんな考えを持っているのだろうか。

   就職・転職のための情報プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワーク(東京都渋谷区)は、「若手・中堅社会人の転職に関する意識調査」の結果を2023年7月25日に発表した。

   今回の調査によると、24歳~34歳までの社会人で「転職したことがある」人は全体の62.5%を占めたといい、直近3年以内の転職者に絞った場合は33.6%だった。一方、「転職したことはない人」は37.5%となった。

   また、とりわけ転職未経験が抱く不安で、転職経験者以上に多いものでは、「新しい職場でいい人間関係が築けるか不安」、「年収が下がるかもしれない」、「転職先の社風や風土が自分に合わないかもしれない」、「新しい企業・環境に適応できないかもしれない」などがあがった。

  • 転職の悩みは尽きない…(写真はイメージです)
    転職の悩みは尽きない…(写真はイメージです)
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「3年以内の転職」前年調査から3.6ポイント微増、人材の流動性が高まっている?

   この調査は、2023年6月13日~16日、インターネットによるアンケート調査で、1都3県(東京/神奈川/千葉/埼玉)と中京(愛知/岐阜/静岡)、関西(大阪/京都/兵庫)、福岡県に在住の24歳~34歳の男女を対象にした。有効回答数は、約2500人。

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(オープンワークの作成)

   はじめに、転職の有無と時期について質問した。最多となったのは「転職したことはない」で「37.5%」。この数値は、2022年よりも4.4ポイントのダウンとなった。

   次いで、「3年以内に転職した」は「33.6%」となり、「過去4?5年内に転職した」(14.6%)や「5年以上前に転職した(14.3%)」を大きく引き離した。

   なお、3年以内に転職した人は、2022年調査から3.6ポイント上昇しているといい、転職経験者は微増しているかたちだ。

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(オープンワークの作成)

   続いて、転職する際の年収に対する考えを聞いた。転職経験の有無にかかわらず、最多は「希望条件が概ね叶えば現年収同様でも良い」(転職経験なし:47.0%、転職回数1回以上:45.0%)となった。

   次いで、目立っているのが「希望条件が叶わなくても年収が上がる事が優先である」(転職経験なし=23.5%、転職経験1回以上=30.2%)」。「年収」というキーワードは、転職経験者のほうが注目度が高い。

転職活動の情報収集...「業務内容」は過半数超えるも、「企業文化」は7割近くが調べきれず

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(オープンワークの作成)

   また、「転職を考えるにあたって感じる懸念や不安」を聞いたところ、「希望にあった仕事が見つからないかもしれない」(転職経験なし:40.6%、転職回数1回以上:41.4%)、「新しい職場で良い人間関係が築けるか不安」(転職経験なし:39.5%、転職回数1回以上:33.9%)、「収入が下がるかもしれない」(転職経験なし:38.8%、転職回数1回以上:33.5%)という回答が目立っている。

   オープンワークは「転職未経験者は全体的に転職経験者より多くの懸念や不安を感じる傾向が浮かび上がっています」としている。

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(オープンワークの作成)

   転職経験者に対して、入社前にどの程度の情報収集ができたか聞いたところ、「業務内容」に対しては「十分に収集できたと思う」が「10%」、「どちらかといえば収集できたと思う」が「42%」で、あわせて「52%」と過半数を超えた。

   ところが、わかりにくいのは「企業文化」だ。今回の調査でも「企業文化」に対しては、「十分に収集できなかったと思う」(9%)、「どちらかといえば収集できなかったと思う」(23%)、「どちらともいえない」(36%)となり、7割近い人が情報収集の難しさを感じている様子がうかがえる。

   調査を受けてオープンワークは、次のように考察している。

「転職に際しての不安は様々あることも明らかになっています。今回の調査では、多くの人が『新しい人間関係づくりへの不安』を抱くことがわかりました。また、そうした求人票には記載されていない情報は、事前に収集しにくいという傾向があることも明らかになりました」
「様々な制度改革などに後押しされた意識の変化もあり、転職へのハードルは年々下がり、過去と比較すると転職のしやすさは高まっているように見受けられます。一方で、『ミスマッチの軽減』『人材の定着』に関する重要性は今後ますます高まっていくのではないでしょうか」