ビジネスパーソンにとって30代、40代は、上司もいて、部下もいて、あるいは周囲の活躍も気になって...という悩み多き世代ではないでしょうか。
当コラム「その仕事の悩み、こんなふうに考えてみよう。」では、キャリアや生活にまつわる悩みに、組織や人材開発、コーチングに詳しい「ひろ子ママ」が、アドバイスやエールをお送りしていきます。
◆きょうのお悩み
きょうはMさんが、こんな悩みを抱えていらっしゃいました。何かと話題のリスキリング、なんとかオンライン講座も学び終えましたが、特に仕事での変化はなく「学んだだけ」になっています。こんなにリスキリングは必要だと言われているのに、活かしきれていなくて焦りを感じています。
8割の人がリスキリングに不満を感じている
Mさんと同じようにリスキリング後に不満を抱えている人は多いようです。2023年7月にWHITE株式会社が行った「リスキリングに関する実態調査」では、約8割の人がリスキリング後になにかしら不満を感じているという結果に。
感じた不満の回答例としては、「給与アップにつながらなかった」「仕事で使う機会がない」「キャリアアップにつながらない」「人事評価に反映されなかった」などだそうです。
◆WHITE株式会社:「リスキリングに関する実態調査」(2023年7月)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000029909.html
人生100年時代を生き抜くためには「学び続けないといけない」「新しいスキルをつけないといけない」というように、私たちは「終わりの見えないプレッシャー」の中に常にいる状態です。
せっかくがんばってリスキリングしたのに努力が報われないとなると、次のステップに向けて意欲が失われてしまうかもしれません。会社がステップアップできる環境を用意してくれるのが一番ですが、難しい場合は自らで道を切り開いていくしかなさそうです。
学んだことを身近に活かす方法を考える
学んだことをすぐに活かす環境が目の前になかった場合、そこで止まってしまえばそれまでです。まずは日々仕事が忙しい中に、学び切った自分を褒めてあげましょう。ビジネス環境が変化する中に自分をリスキリングし続けられることは、価値があることです。
次のステップとして、学んだことを身近に活かす方法がないか考えてみましょう。もし、営業部にいてマーケティング分野のスキルを身につけたのであれば、マーケティングの部署のミーティングに参加を依頼してみてはいかがでしょう。
専門用語に圧倒されるかもしれませんが、わからないことを調べることで身になっていくと思います。難しい場合は、営業戦略にマーケティングの要素を入れて考えてみるなども試せることはありそうです。
活かす場所がないと思ったら、まずは身近なところに活かす方法はないか考えてみましょう。
自らをアピールすることも大事
まわりを見渡した時に、なぜか希望の通りに部署異動できる人、ずっと同じ部署にいる人など差がありませんか。もちろん企業によって部署異動の基準は異なると思いますが、自らをアピールするか、しないかで差が出てくるとも感じます。
経験もなく営業から広報に異動した知り合いは、普段から自分のSNSを使って営業の発信をしていました(会社の許可をとったうえで、です)。その後も長期休暇の合間に、いろんな会社のプレスリリースを読み込み勉強していました。
そんな行動をしていることもアピールしつつ、営業でも成績を上げつつ、上司に広報の仕事に興味があることをミーティングなどでアピールしていたんですね。
そうして退職者が出たタイミングでその人は見事、部署異動できました。せっかくのスキルを身につけても、黙っていては会社も気づいてくれない可能性もあります。
「キャリアアップにつながらない」「仕事につながらない」と嘆いているMさんも、まずはまわりにアピールしてはいかがでしょうか。会社でアウトプット先を用意してくれないならば、自ら道を切り開くことも必要です。(ひろ子ママ)