地球温暖化、大気汚染、森林破壊、水質汚濁......。あなたは、どの環境問題を解決したいですか?」(複数回答)と、全国の男女500人に聞いたところ、最も多い402人が「地球温暖化」を解決したいと答えたことが、SDGs情報メディアの「EARTH NOTE」を運営するケイティケイ(愛知県名古屋市)の調べでわかった。2023年8月17日に発表した。
次いで回答が多かったのは「大気汚染」で263人。第1位とは100票以上の差があり、「地球温暖化」が特に解決への関心が高い環境問題であることがわかった。
地球温暖化の解決は、自然災害から生活を守るために重要
自然環境の破壊が世界的に大きな問題となっているなか、国や企業、家庭や個人による温室効果ガスの削減やリサイクル、省エネなどの環境問題への取り組みが増えている。
そうしたなか、全国の男女500人に「解決したい環境問題をすべて選択してください」(複数回答)を聞いたところ、402人が「地球温暖化」を選んだ。第2位には「大気汚染」の263人、第3位の「海洋汚染」は240人が選んだ。
さらに、「森林破壊・砂漠化」を解決したいと答えた人は218人。「水質汚染」が156人、「土壌汚染」は122人、「生物多様性の減少」の106人と続いた。【図1参照】
「地球温暖化」は気候変動や異常気象が原因で、自然災害の増加や台風の巨大化などをもたらす。地球温暖化の解決は、自然災害から生活を守るためにも重要な課題といえる。
このままでは、人間のせいで地球が終わってしまう...
調査では、「解決したい環境問題」を選んだ理由を、それぞれの項目ごとに答えてもらった。
「地球温暖化」については――。
「年々、異常気象が増えていることを実感するため」
「地球温暖化は、災害や食料問題にも関連して、人類にとって重大な問題だからです」
「夏がとにかく暑いから」
「地球温暖化によって、年々最高気温が40度近くにもなり、命の危険を感じたり、春が極端に短く梅雨が長いため、体調が悪くなるから」
「先日、モンブランに行ってきたのですが、氷河がとけてしまって、年々小さくなっているのを実際に見て、地球の温暖化を防がなければならないと思いました」
「大気汚染」については――。
「PM2.5の影響で頭痛が起こるため」
「空気のキレイさは健康寿命に影響すると思うから」
「目に見えて悪化しているのがわかるから」
「喘息持ちなので大気汚染はなくしてほしい」
「海洋汚染」では――。
「マイクロプラスチックが問題になっているため」
「砂浜に流れ着くゴミの山に、どうしたものかと悩んでいます」
「海の生態系にさまざまな影響を与えているため」
「趣味でシーカヤックに乗るが、プラスチックゴミの多さに閉口します。海に出る時は拾えるゴミを拾いますが、50リットルの袋がいっぱいになります」
「初めてゴミだらけの海を見た時に本当にショックで、何とかしたいと思いました」
といった声があった。
その他では、こうだった。
「どの汚染も基本そうだと思いますが、最終的な被害は人間へすべて返ってくると思うから」
「後世に少しでもいろいろな動物を残してあげたいです」
「このままでは人間のせいで地球が終わってしまうから」
「汚してしまった土壌や水は元に戻らないし、今の生態系維持のためにとにかく対策が急務だと思うから」
「世界中で森林が減っているので」
「土と海の環境が改善されれば、すべて解決できると思うから」
「水質・土壌・越境移動のすべては、国土の汚染につながり、農業・漁業・畜産にすべて影響して、ひいては食品・食文化への影響につながると思うからです」
「人類が住める地球を守っていきたいため」
「未来を生きる子どもにより良い地球環境で生きてほしいから」
「子どもたちが大人になっても,またその子どもたちが大人になっても,ずうっと幸せに過ごせる地球であってほしいので」
寄せられた声には、近年の、地球温暖化による異常気象やゲリラ豪雨、台風の巨大化や豪雨による災害の増加、最高気温の上昇によって地球温暖化の影響を身近に感じている人の意見が目立った。多くの人が環境問題として実感。身近に感じていることがわかった。
また、さまざまな環境問題を次の世代に残すことへの不安や心配があるという意見も多く寄せられた。
環境問題の解決に向けた取り組み、「節電」が最多
次に、「解決したい環境問題について、どの程度悩んでいるか」(n=500)聞いたところ、「やや悩んでいる」と答えた人が337人(67.4%)で最も多かった。
「とても悩んでいる」と答えた60人(12.0%)と合わせて、環境問題に「悩んでいる」人は79.4%にのぼった。ふだんの生活においても、多くの人が環境問題の影響を受けていることがわかる。
「あまり悩んでいない」が97人(19.4%)。「まったく悩んでいない」と答えた人は、わずか6人(1.2%)だった。
また、「環境問題の解決に向けて、取り組んでいることをすべて選択してください」(複数回答)」と聞いたところ、「節電を心がける」と答えた人が328人で、最も多かった。 「食べ残しをしない」が296人、「リサイクルを心がける」が296人、「ゴミをなるべく出さない」の242人、「節水を心がける」の238人が続いた。
電気料金が高騰するなか、こまめに電源を切るなど、節電は多くの人が身近で簡単にできる環境問題への取り組みの一つ。
また、食べ残しが減ることで食品廃棄の際のエネルギーと温室効果ガスの排出量の削減ができたり、不要になったものをリサイクルしたりすることで資源の節約ができる。
「環境に優しい商品を買う」(123人)、「プラスチックを捨てない」(121人)といった取り組みもある。【図2参照】
無理のない範囲で、環境に配慮した生活を心がける
さらに、環境問題への取り組みで、家庭や個人が実際に行っている、「具体的な方法や取り組みを教えてください」と聞いたところ、
「こまめな電気の消灯や水道の出しっ放しをしないなど、基本的な事を実践しています」
「エアコンの設定温度を夏は28度、冬は20度に保っています」
「エコバッグ、マイボトルを持つ」
「買いすぎや料理の作りすぎによる廃棄をしないように気を付けている」
「(フードロスへの取り組みとして)いつまでに食べていつ買うかをしっかり決める」
「リサイクルのため、ごみはルールに則って分別している」
「エシカル(人、社会、環境、地域の活性化などに配慮して生産された製品のこと)消費を意識しています」
「できるだけクルマには乗らず、公共機関を使って移動する」
「なるべくオーガニックや有機野菜を利用するようにする」
「小型のソーラーパネルを購入して、モバイル製品の充電に使用している」
といった取り組みがみられた。
その他にも、環境に配慮し過剰包装を断ることや、洗剤などの詰め替え用を購入するなどの回答もあった。
「EARTH NOTE」は、
「現在の地球環境を改善するための取り組みは、将来の生活を守るために不可欠です。『誰かがするだろう』ではなく、一人でも多くの人が行動を起こすことが必要です。今よりも多くの災害や異常気象を起こさないためにも、無理のない範囲で、環境に配慮した生活を心がけていきましょう」
としている。
なお、調査は全国の男女500人(男性192人、女性305人、その他3人)を対象に、2023年7月20日にインターネットで実施した。
調査対象者の年齢(内訳)は、10代が2人、20代61人、30代185人、40代143人、50代87人、60代以上が22人だった。