「フリーター」として働く人の8割が「経済的にゆとりがない」と感じており、4人に1人が「貯金がない」と答えていることが、マイナビ(東京都千代田区)の「フリーターの意識・就労実態調査 2023年版」でわかった。2023年8月18日の発表。
また、調査では「学びなおし」の必要性を感じる人が6割以上を占めることもわかり、その理由として多くの人が「収入を増やすため」と答えた。
経済的に「ゆとりがない」人の貯金額はいくら?
調査によると、現在フリーターとして働く人のうち、「正社員経験のある」人は39.8%(「正社員として働いた経験がない」と答えた人は60.2%)で、そのうち正社員として働いた経験がある人(n=981)に、今後最も希望する働き方を聞いたところ、「アルバイト・パート」を希望する人は33.4%で最も多く、次いで「フルタイムの正社員」が30.9%だった。
「経営者・自営業・フリーランス」が12.7%、「働き方にこだわりはない」と答えた人も11.3%いた。【図1参照】
また、経済的なゆとりの有無(n=2465)を聞いたところ、「ゆとりがある」と答えた人は3.0%、「ある程度ゆとりがある」が17.0%だった。「あまりゆとりがない」は44.1%、「まったくゆとりがない」と答えた人は35.9%となり、「ゆとりがない」と答えた人の合計は80%にのぼった。【図2参照】
さらに、「ゆとりがない」と答えた人(n=598)に現在の貯金額を聞くと、「貯金がない」と答えた人が24.9%で最も多く、次いで「10万円以上~50万円未満」が20.4%、「10万円未満」が15.9%で続いた。
その一方で、「500万円以上」と答えた人は6.5%だった【図3参照】
希望のキャリアを「歩めている」人は1割だけ
調査では、「現在、希望のキャリアを歩めているか」を聞いた(n=2465)ところ、「そう思う(歩めている)」と答えた人が2.8%、「どちらかといえばそう思う」が8.2%で、合わせて11.0%の人が「希望のキャリアを歩めている」と答えた。
その半面、「そう思わない(歩めていない)」と答えた(「どちらかといえばそう思わない」21.7%と「そうは思わない」33.6%の合計)人は55.3%だった。
経済的に「ゆとりがない」と答えた人ほど、希望のキャリアを歩めていないと感じる人の割合が多いことがわかった。【図4参照】
また、希望のキャリアを歩めていないと感じている人(n=1363)に、「本来希望していた働き方」を聞いたところ、最も多いのが「フルタイムの正社員」の35.8%だった。
次いで、「アルバイト・パート」の28.5%、「経営者・自営業・フリーランス」が11.3%で続いた。【図5参照】
「学びなおし」の理由、「収入を増やしたいため」が最多
一方、新しいスキルを身に付けたり、「学びなおし」することの必要性について聞いた(n=2465)ところ、「必要性を感じている」と答えた人は61.3%だった。「必要性を感じていない」人は38.7%。
さらに、その理由を聞く(n=1511)と、「収入を増やしたいため」と答えた人が66.0%で最も多かった。「自分ができる仕事の幅を広げたいため」が55.6%で続いた。
「明確な理由はないが、不安を感じるため」が38.1%、「正社員になりたいため」と答えた人は29.6%だった。【図6参照】
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、資源高や物価高などの影響で、これから生活水準を上げて経済的なゆとりを感じるためには、収入を増やすための行動が必要になってくる。
調査したマイナビは、
「収入を増やすための手段として、『学びなおし』がありますが、フリーターで働く人も必要性を感じている人は6割以上いることがわかりました。アルバイトで働く人にとっても今後自身の希望のキャリアを歩むための一つの選択肢となっていくことが考えられます」
とコメントしている。
フリーターにとっては、時間の使い方が大事になってきそうだ。
なお、調査は15~44歳の男性は既卒、女性は既卒かつ未婚のうち、パート・アルバイトとして働いている人を対象に、2023年2月15日~20日に実施。有効回答者数は、2465人。