経営ビジョンがある企業ほどDX、GXの取り組みが進んでいる
フォーバルGDXリサーチ研究所によると、DX人材・GX人材の採用・育成には、経営ビジョンの逆算が必須という。
そこで、「経営ビジョンを描けているかどうか」でDXの推進度、GXの推進度に差があるか、DX、GXの推進状況を、「ステップ3」=事業改革:事業戦略の再構築・新規事業の創出、「ステップ2」=情報活用:デジタル化の推進により得られた情報の利活用、「ステップ1」=意識改革:DX/GXに向けたデジタル化の推進、「取り組めていない」に分けて調べた。
中小企業の経営者(n-645)に、経営ビジョンの有無について聞いたところ、DXの取り組みレベルが「ステップ3(事業改革:事業戦略の再構築・新規事業の創出)」という企業のうち、ビジョンが「ある」企業は87.5%、「ない」企業は12.5%で、おおよそ9対1の割合であった。
これに対し、DXに「取り組めていない」企業のうち、ビジョンが「ある」企業は24.4%、「ない」企業は75.6%とほぼ2対8の割合となったことがわかった。
GXでは、 ビジョンが「ある」企業は75.0%、「ない」企業は25.0%と8対3の割合であるのに対して、GXに「取り組めていない」企業のうち、ビジョンが「ある」企業は36.8%、「ない」企業は63.2%と4対6となった。【グラフ5参照】
DX、GXとも推進度が進むほど、ビジョンがある企業の割合が多いことから、DX、GXを進めるにはビジョンが明確化されていることが重要と推察される。
同研究所の平良学所長は、
「時間と費用の制約、さらには具体的なスキル定義の欠如といった複合的な要因によって、中小企業の多くがDXとGXの推進に苦戦しているという現実が明らかになりました。こうした現状を打開するための戦略として、企業は自分たちが目指すべき未来を明記した『経営ビジョン』を策定し、その目標に合致する人材育成に注力すべきだと示唆されています」
とコメントしている。
なお、調査は全国の中小企業経営者を対象に、2023年6月12日~7月11日にインターネットで実施した。有効回答者数は、645人。