転職に向けたリスキリング、習得したいスキル...3位「ITリテラシー」、2位「データ分析」...では1位は?

リスキリングへの意欲...「専門スキルを習得」52.1%、「キャリアパスを追求」39.2%、「競争のある人材になるため」35.8%

   それでは、転職意欲のある人たちはどれくらいリスキリングに関心があるのだろうか?

(Job総研の作成)
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   リスキリングをする意欲の有無について質問した結果、「とてもある」の人は「30.9%」、「ある」は「29.1%」、「どちらかといえばある」は「29.3%」となり、あわせて「89.3%」が「リスキリングしたい派」という結果に。リスキリングへの関心は高かった。一方で「ない派」は「10.7%」という結果だった。

   また、リスキリングに意欲のある495人を対象に「身につけたいスキル」を聞いた。上位になったのは「英語」(29.3%)、「データ分析」(18.6%)、「ITリテラシー」(15.6%)、「マーケティング」(15.4%)、「プログラミング」(11.7%)となった。

(Job総研の作成)
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   続いて、リスキリングに意欲のある495人に理由を聞くと、「専門スキルを習得するため」が「52.1%」で最多となった。次いで「キャリアパスを追求するため」が「39.2%」、「競争のある人材になるため」が「35.8%」が上位を占めた。

   一方で、リスキリングに意欲のない59人に理由を聞くと、「競争のある人材になれない」(22.0%)、「未来の自分への投資にならない」(18.6%)、「キャリアパスに繋がらない」(16.9%)となった。

(Job総研の作成)
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   また、回答者全体にリスキリング支援を知っているか聞くと、「名前と内容どちらも知っている」が「35.4%」で最多。次いで「名前も内容もなんとなく知っている」が「23.8%」でした。あわせて59.2%が「知っている派」となり過半数を超えた。「名前も内容も知らない」は「26.2%」と少なかった。

   最後に、リスキリング支援の内容を説明し、回答者全体にリスキリング支援を受けたいかを聞くと、「とても思う」が「18.4%」、「思う」が「19.9%」、「どちらかといえば思う」が「32.7%」となり、これをあわせた「受けたい派」が「71.0%」で過半数を占めた。

   回答者からは、こんな声が集まっている。

・リスキリングが流行りの一つではなく、今後も当たり前の存在としてあってほしい
・今後日本でもJob型雇用が一般化するとなると、リスキリングとそれに対する支援はありがたい
・リスキリング支援を受けて、転職を考える際に専門スキルを身につけて収入アップしたい
・転職理由は職場環境への不満が大半だと思うけど、前向きな転職のためリスキリングは良い機会
・終身雇用は過去のもの。自分でキャリアを描いて必要に応じリスキリングと転職を検討したい

   調査を受けて、「Job総研室長」の堀雅一氏は、以下のようにコメントしている。

「リスキリングの名前と内容の双方の認知度は35.4%に留まり、リスキリングの内容を説明した上で支援の利用意欲を聞くと、『受けたいと思う派』は全体の71.0%と過半数を占めました。
学び直しの必要性が高いと感じている社会人でも、リスキリングを正しく理解している人は少なく、支援の課題は認知にあると読み取ることができます。
転職意欲や学び直し意欲が高い社会人も多いため、リスキリング支援制度は政府による発信次第で伸び代がある政策であることがわかる調査結果となりました」

   なお、この調査は、2023年8月2日~7日にインターネットでおこなわれ、対象者は全国の男女20代から50代で「JobQ Town」に登録し、現在職を持つすべての社会人554人。男女内訳は男性6割、女性4割。

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