「スマホでNHK見たら受信料?」自民党と総務省、NHK支援の動き急ピッチ!「スマホ保有だけでは徴収せず」というが、ネット民から批判の声殺到

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   「スマホでNHK見たら受信料?」。自民党の部会が2023年8月23日、これまで「放送の補完」だったNHKのネット配信を「本来業務」に格上げする提言をまとめた。

   すぐに放送法を改正、スマホでNHKを見る人に「受信料」を負担させる仕組みに変える方針だ。ただし、テレビがなくてもNHKを視聴したい人だけを対象にする。

   スマホを持っているだけでは徴収しないとしているが、ネットでは「マイナンバーカードの例もある」「信用できない」と批判の嵐が殺到している。

  • NHK放送センター(東京渋谷)
    NHK放送センター(東京渋谷)
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利用者ID取得など、積極的にNHKを見たい人だけ受信料負担

   報道をまとめると、自民党の情報通信戦略調査会(野田聖子会長)は8月23日、スマートフォンの普及を踏まえたNHKの在り方に関する提言をまとめた。9月にも自民党党内で正式決定したうえで、総務省とNHKに提出する。

   現行制度では、NHKのインターネットを通じた番組配信は「放送の補完的な業務」と位置付けられている。それを、放送法を早急に改正してNHKの「必須業務」に格上げする必要があると明記した。

   その理由を提言では、「テレビを持たず、インターネットから情報を得る人が増えている」「フェイクニュースなどの問題が顕在化するネット時代に、一定の質が担保された放送コンテンツの価値がより高まったと言える」などとしている。

   焦点であるネット視聴の費用負担に関しては、「放送の受信契約者との公平性確保の観点から、受信料に相当する一定の費用負担を求めるべきだ」と強調。その一方で「放送の現在の受信契約者には追加的負担を求めない」と記した。

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スマホでNHK見ると、受信料とられる?(写真はイメージ)

   ただし、スマホやパソコンなどを保有しているだけでは費用負担を求めず、「利用者IDの取得などコンテンツを視聴しようと積極的な意思を表示した場合に限り、費用負担を求めるかたちとすべきだ」と強調した。

   この点は、テレビを持っているだけで受信料を支払わなければならない現行制度との大きな違いだ。

   実は、自民党部会のこうした動きは、総務省の有識者会議の方針と連動している。総務省の「公共放送ワーキンググループ」が8月10日の会合では、ネットの同時・見逃し配信を放送と同じ「必須業務」と位置づける案で合意。テレビを持たずにネットで視聴する人に対して、費用負担を求める方針が決まっている。

   その際の費用負担案では、NHK番組の視聴する意思が明確化するケースとして、(1)アプリのダウンロード(2)ID、パスワードの取得、入力(3)一定期間の試用と利用約款への同意の3つを例示している【図表】。

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(図表)NHKのネット活用業務の財源と受信料制度(総務省公式サイトより)

   自民党の提言案は、この方針を追認する形となっている。いわば、政府(総務省)と与党(自民党)の双方から、スマホでNHKを見る人から受信料を徴収する動きが急ピッチで進んでいるわけだ。

   今回の「スマホでNHK見たら『受信料』を!」の動き、ヤフーニュースコメント欄ではさまざまな意見が寄せられている。まず、専門家からは――。社会学者の西田亮介・東京工業大学准教授(情報社会論)は、こう指摘している。

「従来から有識者会議構成員らからはもっぱら本来業務化が好ましいという声が出ていたが、新聞協会を始めとする業界団体などが強い反発を示していた。ちょうど有識者会議の取りまとめ時期にあわせたという印象だが、有識者会議のコンセンサスに近い内容で、もしかすると総務省かNHKから自民党サイドにテコ入れが行われたのかもしれない。
なお、現状では巷でいわれがちな『スマホを持っているだけで、受信料支払い義務が生じる』という内容にはなっていないようである点も重要」
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