いよいよ始まるインボイス制度...「登録している」中小企業41.4% 「出版・印刷関連」は69.1%の高水準に

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   2023年10月1日から開始するインボイス制度の準備状況は?

   生命保険を通じて日本の中小企業を応援するエヌエヌ生命保険(東京都渋谷区)は2023年8月17日に、「インボイス制度」に関する意識調査の結果を発表した。

   中小企業の経営者7225人に聞いた調査結果によると、インボイスの認知度は「具体的な内容まで知っている」が23.9%、「概要を知っている」が43.8%となっている。また、「適格請求書発行事業者」として「登録している」は41.4%、「制度開始までに登録予定」が11.1%となるなど、準備は着々と進んでいるようだ。

   登録する理由としては、「登録した方がメリットが大きいと思うから」(42.5%)が最多だが、「取引を打ち切られる可能性があるから」(33.4%)、「新規の取引を敬遠される可能性があるから」(26.8%)、「売上が減ってしまう可能性があるから」(15.8%)など、取引への影響を懸念する様子もうかがえた。

  • インボイスの準備状況は?(写真はイメージです)
    インボイスの準備状況は?(写真はイメージです)
  • インボイスの準備状況は?(写真はイメージです)

インボイス制度登録率...「出版・印刷関連産業」69.1%、「製造業(医薬品・化粧品)」66.7%、「卸売・小売業」65.4%

   インボイス制度とは、2023年10月1日に運用が開始される新しい仕入税額控除の方式だ。これまで曖昧だった項目別の消費税率を明確にするため、現行の請求書に、登録番号や税率、税額を追加した「適格証明書(=インボイス)」を導入する制度となる。売り手は買い手からインボイスの発行を求められた場合は、交付しなければならなくなっている。

   今回の調査は、2023年7月14日から18日までの間、日本全国の中小企業経営者の7225人を対象にインターネットで調査した。調査会社は株式会社マクロミル。なお、中小企業経営者は、従業員300名未満の規模の会社経営者、または従業員のいる自営業者と定義した。

(エヌエヌ生命保険の作成)
(エヌエヌ生命保険の作成)

   はじめに、インボイス制度の認知度は「概要を知っている」が「43.8%」、「名前は聞いたことがある」が「27.2%」、「具体的な内容まで知っている」は「23.9%」となった。また、「全く知らない」は「5.1%」に留まった。

(エヌエヌ生命保険の作成)
(エヌエヌ生命保険の作成)

   続いて、中小企業の経営者に適格請求書を発行するために「適格請求書発行事業者」として登録しているかを聞いた。すると結果は、「登録している」が「41.4%」、「検討中」が「12.0%」、「制度開始までに登録予定」が「11.1%」となっている。一方で、「登録する予定はない」は「24.7%」、「わからない」が「10.3%」、「廃業する」が「0.6%」という結果になった。

(エヌエヌ生命保険の作成)
(エヌエヌ生命保険の作成)

   業種別では、「登録している」は「出版・印刷関連産業」(69.1%)、「製造業(医薬品・化粧品)」(66.7%)、「卸売・小売業(自動車・輸送機器・金属加工・精密機器)」(65.4%)の順で、割合が高かった。

(エヌエヌ生命保険の作成)
(エヌエヌ生命保険の作成)

   他方で、「登録する予定はない」の業種では、「病院・医療機関・福祉業」が「54.0%」、「教育関連業」が「47.8%」、「飲食店」が「36.4%」が高かった。

(エヌエヌ生命保険の作成)
(エヌエヌ生命保険の作成)

   つぎに、適格請求書発行事業者として「登録している」「制度開始までに登録予定」と回答した3794人に理由を聞いた。「登録した方のメリットが大きいと思うから」が「42.5%」で最多になった。次いで「取引を打ち切られる可能性があるから」が「33.4%」、「新規の取引を敬遠される可能性があるから」が「26.8%」となり、取引継続への影響の懸念が高いことがわかる。

(エヌエヌ生命保険の作成)
(エヌエヌ生命保険の作成)
(エヌエヌ生命保険の作成)
(エヌエヌ生命保険の作成)
(エヌエヌ生命保険の作成)
(エヌエヌ生命保険の作成)

   なお、登録する理由を業種別で見た場合、「取引を打ち切られる可能性があるから」は「出版・印刷関連産業」で高く「53.7%」。「新規の取引を敬遠される可能性があるから」は「電気・ガス・熱供給・水道業」で「41.3%」。「売上が減ってしまう可能性があるから」は「飲食店」で「26.2%」と最も高い結果だった。

インボイス制度登録しない理由...「登録しないメリットある」32.4%、「業務負担増える」26.8%、「対応できる人材いない」18.1%

(エヌエヌ生命保険の作成)
(エヌエヌ生命保険の作成)

   他方で、適格請求書発行事業者として「登録する予定はない」「検討中」と回答した2648人に、その理由を聞くと、最多は「登録しない方のメリットが大きいと思うから」が「32.4%」となった。

   次いで「業務負担が増えるから」が「26.8%」、「対応できる人材がいないから」が「18.1%」という結果になった。さらに、「制度の内容や手続き方法が分からないから」という回答が「16.6%」あるなど、調査元では、「インボイス制度に対応できる人材が居らず手続き方法がわからないことも登録していない理由の一つだと考えられます」としている。

(エヌエヌ生命保険の作成)
(エヌエヌ生命保険の作成)

   次の質問では、仕入先の適格請求書発行事業者への登録状況を確認したかを聞いた。「いいえ」と回答したのは「54.9%」で、半数以上が未確認であるようだ。

(エヌエヌ生命保険の作成)
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   最後に、仕入先が適格請求書発行事業者ではない場合はどのように対応するかについては、「これまで通り取引を継続する」という回答が半数近くで「45.6%」となった。「取引条件の変更を相談する」は「18.6%」となっている。

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