ディスカウントストア「ドン・キホーテ(ドンキ)」などを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(パンパシHD)の株価が2023年8月17日の東京株式市場で一時、前日終値比179円50銭(6.1%)高の3099円まで上昇し、上場来高値を更新した。
前日に発表した2023年6月期連結決算は、プライベートブランド(PB)商品などの販売が伸びたことにより、34年連続で営業利益が過去最高を更新するなど好調で、これを好感した買いが入った。
ディスカウント事業が好調 PB商品「しいたけスナック」のヒットも貢献
それでは決算内容を確認しておこう。売上高は前期比5.8%増の1兆9367億円、営業利益は18.7%増の1052億円、経常利益は10.5%増の1109億円、最終利益は6.8%増の661億円だった。好決算に導いたのは、全体の売上高の6割程度を占めるドンキの快進撃だ。
2023年6月期より、セグメント別の業績開示方法を以前のようにディスカウントストアと総合スーパー(主に東海地方に展開するユニー)に分けず、「国内事業」として合算しているため分かりにくいが、それぞれの品目別の売上高は公表している。
それによると、ディスカウントストアでは、日用雑貨品が前期比14.4%増と好調で、食品も6.7%増と堅調だった。
日用雑貨品では、コロナ禍の緩和で、ドンキが得意とするハロウィーンなどのイベント需要を取り込むPB商品が伸びたようだ。また、食品でも「しいたけ嫌いの人にしいたけを食べてもらう」というコンセプトの「しいたけスナック」などPB商品のヒットが貢献した。
別途発表している月次データをみると、ディスカウント事業(ドンキ、長崎屋など)の既存店売上高は2022年7月から2023年6月の12か月を通じて、前年同月割れした月はない。2023年6月期通期の既存店売上高は前期比5.2%増で客単価は6.0%増、通期の全店売上高は7.2%増だった。
一方、総合スーパー(GMS)事業のユニーの通期の既存店売上高は前期比2.2%減、全店売上高は2.5%減であり、GMSの厳しさを示している。