人生の3分の1を占める「睡眠」の質を高めるには...マットレス難民に届けたい「最適解」があった【後編】/株式会社Morght執行役員・宮下大和さん

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企業側の「独りよがりな情報」ではなく、ユーザーからの「生の声」を


成功にたどり着くまでには小さな失敗も多数あったという

――ところで、新たな事業を立ち上げ、寝具の事業に参入していく過程で、これまで難しかったことは何でしょうか。

宮下さん そうですね。新たな事業を立ち上げてから、いまもそうですが、寝具業界にゆかりのあった社員はいませんでした。ですので、素人であるがゆえに、寝具についての情報の信ぴょう性が最初は全く分からなくて。1つひとつ検証していき、知見を積み重ねました。たとえば、業界的な慣習から導かれる正解と、私たちがお客様に提供したい正解は必ずしも一致しないこともありました。その違いを確かめていく作業がとても大変でしたね。そのなかでは、小さな失敗も多数してきました。

――試行錯誤を繰り返して成長なさったんですね。

宮下さん やはり、私たちはスタートアップ企業なので、そもそもの資本力はありません。なので、大手企業に店舗力で勝とうとしても厳しいので、資本力や店舗力に頼らない「戦い方」を見つけていくのが難しかったです。

――そのような戦いのなかで、工夫した点は何でしょうか。

宮下さん D2Cの場合はどうしても、「返品しづらいのではないか?」「最初は安いけど、後から高額請求があるのではないか?」と思われがちということがあります。これらの声はユーザー側からすると自然なものですから、検討の余地がありました。
当初は「いいものを作り、適切な売り方をすれば確実に売れる」と考えていました。しかし最初の頃はうまくいかず、苦しい時期でしたね。その原因ですが、メッセージの発信方法が、「自分たちがこういう風に感じてほしい」といったもので、ユーザーの声を度外視したものになっていた。徐々にそういうことがわかってきたのです。

――情報の発信の仕方が「自分たち目線」だったということですね。

宮下さん でも、あるタイミングからそれがわかったので、それ以降はユーザーの方にヒアリングをしてレビューの声をいただいたり、実際に商品を使っていただいているインフルエンサーの方から意見をいただいたりして、そういった声とともに発信していくようにしてからは変化していきました。

寝具以外の新しいブランドや事業も将来的には考えていきたいと語った宮下さん

――そうすると、さらに口コミも広まっていきますね。

宮下さん 今は、ユーザーは本当に賢いなと感じています。企業側から発信されるある意味での「独りよがりな情報」はきちんと取捨選択され、発信力の強弱にかかわらず、ネット上の「生の声」を重視する人が多いですね。極端な例かもしれませんが、弊社のサイトには2000件ほどのユーザーレビューが掲載されているのですが、それらの全部に目を通したというお声が寄せられたこともあるほどです。

――最後に、今後の展望をお教えください。

宮下さん 引き続き、弊社の柱である「NELLマットレス」を多くの方にお届けしていきたい。もっとも、マットレスにあわせて、寝る時に使う枕やシーツといった商品展開は視野に入れ、企画を進めていきたいと考えています。それと、社名の由来でもある「朝(Morning)起きてから(to)、夜(Night)寝るまで」のコンセプトにあった新しいブランド、事業も、将来的には考えていきたいと思います。

――お話、ありがとうございました。

(構成/J-CAST会社ウォッチ編集部 坂下朋永)

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