一晩に20~30回の「寝返り」を打ちやすくする細やかな工夫
――では、「NELLマットレス」の特徴とはなんでしょうか?
宮下さん 「NELLマットレス」の特徴は、寝返りに特化した構造になっていることです。マットレスの断面が「センターハード構造」という、腰が乗る部分だけがやや固い構造になっています。寝返りは腰から打つので、そこを固くすることで、寝返りが打ちやすくなるのです。その一方で、頭や足が乗る部分は軟らかめになっており、寝心地の良さを追求しています。
――腰の周りだけ、あえて固くするんですね。
宮下さん そういうことです。マットレスの中に配置しているコイルにもこだわっています。D2Cで販売されているマットレスの弾力剤としてはウレタンが主流なのですが、NELLマットレスはコイルを使用しています。
これだけでも寝心地は向上するのですが、弊社ではさらに、各コイルが連結している「ボンネルコイル」ではなく、それぞれが独立している「ポケットコイル」を使用しています。1本のコイルの傾きが他のコイルに波及しないため、さらなる寝心地の良さを実現しています。
――コイルの種類の名前、初めて聞きました。
宮下さん ウレタンを使わないということは、通気性の面でも優れています。ウレタンは凝縮された綿なので、夏には熱がこもってしまい、暑くて寝られないということが多々ありますが、コイルであれば通気性があるため、そのようなことにはならずに済むのはもちろん、中でカビが発生するなどということも防げます。
――いいですね!
宮下さん ちなみに、「NELLマットレス」に使われているポケットコイルを作っている協力会社さんは、コイルの口径が小さいものを作れまして。一般的なマットレスで使われているポケットコイルの半分の口径のポケットコイルを、たくさん敷き詰める方法でマットレスの上面を支えています。その本数は、ダブルベッドで1734本。たくさんの本数で細かくマットレスの上面を支えることで、「バネが体の下にある」という不快感が発生しづらくなっています。
――そこまでこだわっているのですね!
宮下さん しかも、この構造はコイル1本当たりの体圧を分散させることができるので、その結果としてコイルの面からも寝返りを打ちやすくなっています。実は、一晩の寝返りの回数は20~30回ほど。この寝返りが打ちづらいと、その際に目が覚めてしまい、睡眠の質が下がってしまいます。
――寝心地って、そんなに重要なんですね。
宮下さん 深い眠りに入らないまま朝を迎えてしまうと、すっきりと目覚められないといった弊害が出てしまうので、それを避けるのは重要です。
<人生の3分の1を占める「睡眠」の質を高めるには...マットレス難民に届けたい「最適解」があった【後編】/株式会社Morght執行役員・宮下大和さん>に続きます。
(構成/J-CAST会社ウォッチ編集部 坂下朋永)