「あの爆買い復活は無理?」中国団体客解禁に、過度な期待は禁物...エコノミストが指摘「中国人の購買欲、かなり低い」「日本人が旅行できなくなる」

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中国人ラッシュでホテル代高騰、日本人旅行客が泊まれなくなる

   しかし、熊野氏によると、別の心配ごとが起こってくる。ホテルがいっぱいになるということだ。熊野氏は東京都区部のホテル代高騰のグラフ【図表1】を示しながら、こう指摘する。

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(図表1)東京都区部の宿泊料の価格推移(第一生命経済研究所の作成)
「日本人にとって、ホテル・旅館の予約が取りにくくなっている。観光庁『宿泊旅行統計』によれば、2023年6月の稼働率は、シティホテルが67.8%、ビジネスホテルが 68.6%まで上がり、これはコロナ前に近づく状況だ。地域別には、東京都のビジネスホテルは79.0%、京都は71.7%と他地域よりも稼働率が高くなっている。
こうした混雑は、次第に宿泊料の高騰につながっている。総務省『消費者物価(東京都区部)』では、7月中旬の宿泊料が、ボトムだった2022年11月に比べて1.5倍以上になっている」

   ホテル・旅館側には、コロナ禍で人員抑制をしたため、来客増に対応し切れなくなっており、人員を増やしたくても集まらないという問題がある。このため、現在、ホテルスタッフの人件費が昨年より、2.7%~7.3%増えている。

   熊野氏はこう結んでいる。

「高騰する人件費を賄うために、宿泊料の値上げはやむを得ないという事情がある。今後、訪日中国人が急増すると、宿泊費の高騰に拍車がかかることは想像に難くない。関東・関西の宿泊料が上がると、日本人の旅行客からは、予約が取れないだけではなく、高すぎて泊まれないという悲鳴が聞こえてきそうだ。
(日本人)旅行客は、円安のせいで海外旅行は高すぎるから断念し、国内旅行に振り替えている人も多い。それなのに、国内旅行費用が増えれば、国内旅行でさえも断念せざるを得なくなる。こうした円安効果は、少し行き過ぎていると考えるのは筆者(=熊野氏)だけであろうか」
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