ビジネスパーソンにとって30代、40代は、上司もいて、部下もいて、あるいは周囲の活躍も気になって...という悩み多き世代ではないでしょうか。
当コラム「その仕事の悩み、こんなふうに考えてみよう。」では、キャリアや生活にまつわる悩みに、組織や人材開発、コーチングに詳しい「ひろ子ママ」が、アドバイスやエールをお送りしていきます。
◆きょうのお悩み
きょうはMさんが、こんな悩みを抱えていらっしゃいました。「社内や取引先とのビジネスにおける連絡手段として、チャットやSNSを使う機会が増えてきました。私が社会人になったころは電話やメールが主だったので、コミュニケーションの変化を感じています。スタンプ機能を使うこともありますが、どのようなタイミングで使ったらいいのか悩んでいます。SNSやチャットコミュニケーションって難しいですね」
基本的なSNS、チャットの使用におけるビジネスマナー
やりとりに関する悩みは、上司、部下それぞれ、取引先も抱えていたりします。お互いがモヤモヤしたコミュニケーションにならないように、基本的なビジネスマナーを押さえておきましょう。
・敬語でやりとり
上司や取引先とのやり取りは、基本は敬語でやり取りをしましょう。取引先の年上の担当者さんの場合、フラットな返信をしてくることもあります。
ところが、同じようにフランクに返信してしまうと、実は「イラっ」とさせてしまうこともあります(コミュニケーションとはつくづく、難しいものですね)。
一方で、取引先の担当者が同い年で「フランクな会話」を求められることもあるかもしれないので、相手の様子を見ながら対応してみましょう。
・既読スルーをしない
メールであれば、相手がメールを見たかどうかが分からないので、返信が来なくても「気づかなかったかな」「忙しくて後回しにされているかな」と、もう少し返信を待ってみようといった気持ちになるかと思います。
しかし、既読機能があるチャットやSNSでは「既読になったのになぜ返信がないんだ」と、相手を不安や不快な気持ちにさせてしまいやすいものです。そこで、既読スルーにならないように、すぐに返信するのがおすすめです。
すぐに返信できない場合は「後ほど確認いたします」「これから会議なので本日中には回答します」など、一言先に返信しておきましょう。相手に安心感を与えることは大事です。
・常識ある時間帯に送りましょう
SNSやチャットはスマホからでも簡単に送れてしまうので、自分の都合で送りやすいという特徴があります。なるべく常識のある時間帯に送りましょう。
ただ早めに回答を求められているものや、夜でないと返信がない人もいるので、一概にどの時間がいいかは難しいですけどね。海外の人と一緒に仕事をしている人は、24時間が通常稼働ということもありますね。
もちろん業界や職種によって好まれるコミュニケーションに差はあります。丁寧すぎることが正解とは限らないのですが、あまりにくだけ過ぎたり、フランクになり過ぎたりしないように気をつけましょう。
営業パーソンの70%は、お客様に対してスタンプを使う
ビジネスにおいて、チャットやSNSでのやり取りが当たり前になってきています。面白い調査があったので、紹介します。
2022年に株式会社営業ハックが営業パーソンに行った調査では、営業パーソンの70%がお客様に対して、LINEのスタンプ機能を使うそうです。
LINEは当初はプライベートで使うことが多いツールでしたが、最近はビジネスでも使用されるようになっています。簡潔なやり取りが主流になっていることと、営業はコミュニケーションをなりわいとする職種なので、フランクさが必要な場面もあるからなんですね。
ただし、まったくスタンプを使わないお客様に対して、スタンプを送りまくってしまうと、実は「引かれている」可能性もあります。営業はお客様の温度感が大事なので相手の様子を見ながらスタンプを使ってみましょう。
◆参考:株式会社営業ハック(2022年)
https://hiroshi-sasada.com/communication-sales-techniques/sns-stamp/
相手との関係性によって、対応方法を変える
ひと昔前までは、上司や取引先にスタンプを送ることなんて、考えられなかったことだと思います。もしかしたら10年後には、スタンプが主流のコミュニケーションになっている可能性もありますよね。
でも、どのような時代であっても相手がどう思うかが大事です。相手との関係性によって対応方法を変えてみましょう。あまり関係性が構築できていない相手には、スタンプを送らない、と決めてしまうのもありですね。(ひろ子ママ)