経験者の5人に1人が「やらされリスキリング」「報われないリスキリング」で断念...取り組みを活かせる社内体制とは?

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   リスキリングはもう始めていますか?

   法人向けDX人材育成サービス「MENTER」を提供するWHITE(神奈川県横浜市)は2023年8月9日に「リスキリングの実態調査」の結果を発表した。

   調査によると、リスキリングを始めたきっかけが「会社(上司・人事)からの要請」(14.9%)、「会社での費用補助」(16.4%)など、自発的な理由からでない人も少なくないようだ。また、18.5%がリスキリングを断念した経験がある、と答えていることもわかった。

   リスキリングへの不満感としては、「給与に繋がらなかった」(29.0%)、「キャリアアップに繋がらない」(24.6%)、「仕事での活用機会がない」(22.8%)、「人事制度に反映されない」(19.6%)など、「報われないリスキリング」を経験している人は8割に上るという。

  • 報われない業務ではモチベーションが下がってしまう(写真はイメージです)
    報われない業務ではモチベーションが下がってしまう(写真はイメージです)
  • 報われない業務ではモチベーションが下がってしまう(写真はイメージです)

リスキリングを断念した人18.5% 理由は「時間がなくなった」52.8%、「意味が感じられなくなった」27.8%

   この調査は、調査機関のFastaskを通じて2023年7月12日から19日までの間、全国のリスキリング経験者195人からインターネットリサーチで調査したものだ。

   また、リスキリングやリカレントなど、昨今では解釈が拡大している言葉であるが、同社では「現状とは異なる新しい職種/職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルや知識を習得すること」と定義している。

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(MENTER調べ)

   はじめに、リスキリングを始めた目的を質問した。すると結果は、「不足している知識やスキルの補足」が「42.1%」、「新たな知識やスキルへの興味」は「37.9%」、「業務上の必要性」は「27.7%」を占めるなど、能動的な理由が上位に上がった。

   一方で、「会社(上司・人事)からの要請」は「14.9%」、「会社での費用補助」が「16.4%」など、自発的な理由でないリスキリング経験者がそれぞれ1割程度いることがわかる。

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(MENTER調べ)

   続いて、リスキリングの継続率の割合を見てみると、「81.5%」の人が「設定した目標をクリアした/最後まで受講した」である一方で、「18.5%」の人が「途中で断念した」と回答している。

   「途中で断念した」人の理由上げてみると、「時間がなくなった」(52.8%)、「意味が感じられなくなった」(27.8%)、「内容が楽しくなかった」(22.2%)だった。このほか、「義務感を感じた」(13.9%)、「はじめたきっかけが自発的でなかった」(13.9%)という理由が上がっており、調査元では「『やらされリスキリング』の人も1割程度存在していました」とまとめている。

「報われないリスキリング」経験者8割強 仕事に活かすためには?

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(MENTER調べ)

   つぎに、リスキリングを始めた上で感じた不満では、「給与に繋がらなかった」(29.0%)、「キャリアアップに繋がらない」(24.6%)が上位に。

   ついで、「仕事での活用機会がない」は「22.8%」、「人事制度に反映されない」は「19.6%」、「学んだスキルを活用する体制・風土に会社が変わらない」は「14.5%」、「転職活動に活かせなかった」は「21.7%」という結果になり、職場環境に問題があって内容を活かしきれない「報われないリスキリング」という例もあるようだ。

   実際のエピソードを挙げてもらったところ、

・個人個人で努力してスキルを上げるのは義務、しかし人事評価や報酬には反映させないという会社のスタンスに失望した(48歳、女性、福岡県)
・資格取得をしたが、あまり関係の無い部署への異動があった(54歳、女性、神奈川県)
・職業訓練で資格を取ったが、転職先に有利に採用される条件としてあまり生かせなかった(41歳、男性、茨城県)

   などの意見が集まった。

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(MENTER調べ)

   ちなみに、リスキリングで利用したサービスでは、「インターネット検索」が「39.1%」で最多に。次いで「書籍」が「33.0%」、「オンライン学習サービス」が「30.4%」、「ウェビナー・オンラインサロン」は「17.4%」になっている。

   調査の総括として、WHITE代表の横山隆氏は、以下のようにコメントしている。

「近年ではChatGPTなどの生成AIが実務での実用レベルにまで成長するなど変化がありましたが、新しいソフトウェア活用のためには新たな知識/スキルのインプットを要します。しかし、バズワードに飛びつきその目的を定めず実施すると、この調査で明らかになったような『やらされリスキリング』に陥りやすいと感じます」
「リスキリングは、企業側の戦略的ニーズに基づく新たなスキルの獲得を目指すものです。そのためには社員に対して今後必要となるスキルを提示し、社員が自身の現在のスキルと比較した上で、不足しているスキルを認識してもらい、リスキリングに取り組む流れを構築することが求められます」
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