サービス収支はインバウンド回復で改善か ただし、「資源価格」は不透明、「輸出」も世界的な景気減速などで懸念
今後をみるとき、第1次所得収支は一定の黒字を確保し続けるのは確実だろう。
サービス収支は、中国の日本への団体旅行の解禁などによるインバウンドの回復で、一定の改善が見込める。だが、やはり、貿易収支の動向が経常収支全体を大きく左右するのは間違いない。
もっとも、これについては、「今後も貿易黒字が続くかは見通せない」(エコノミスト)との慎重な見方が強い。
石油輸出国機構(OPEC)プラスは、原油の協調減産を24年末まで延長する方針だ。このため、原油価格は米ニューヨーク市場の先物が、6月までの1バレル=70ドル前後から、足元で80ドル台に上がるなど、資源価格がさらに下がるかは不透明だ。
輸出も、世界的に景気が減速すれば伸び悩む恐れがあり、なかでも中国の景気回復の遅れが大きな懸念材料になっている。
実際、貿易統計(末尾の注参照)では、7月に再び787億円の赤字に逆戻りした。