転職やキャリア構築のシーンで耳にすることの多い「自分の市場価値」について、考えてみたことはありますか。
ビズヒッツ(三重県鈴鹿市)は2023年8月10日に、転職活動をしたことがある男女500人に対して、「自分の市場価値に関する意識調査」の結果を発表した。
調査によると、転職エージェントや診断サイトを使って転職市場での自分の市場価値について調べたことがある人は22.0%にとどまり、調べていない人は78%に上った。
また、自分の市場価値を調べた理由では、1位「適正年収を知りたい」、2位「転職活動をスムーズにするため」、3位「キャリアと向き合うため」で、転職をきっかけに自分と向き合うという人が少なくないようだ。
ビズヒッツでは、「『知らなかった』という人以外では、キャリアアップを求めていないため調べる必要がなかった人や、スキルに自信がなくて敬遠した人が多くなっています」と指摘している。
転職市場価値を調べなかった理由...「考えつかなかった」「調べ方がわからなかった」「結果に自信がなかった」
はじめに、転職時に自分の市場価値を調べたかどうかを質問した。500人のうち「調べた」人は「22.0%」、「調べていない」人は「78%」という結果になった。
続いて、調べなかった390人に理由では、「考えつかなかった」が「117人」、「調べ方がわからなかった」が「87人」、「結果に自信がなかった」が「85人、」「必要ないと思った」が「72人」、「時間がなかった」が「11人」という順番になった。
寄せられたコメントには、
●考えつかなかった
・調べることを思いつかなかった(27歳 女性)
・自分が転職活動した時代には、市場価値という考え方はなかった(30歳 男性)
・「自分の市場価値」という言葉を知らなかった。今後調べて転職に活用したい(40歳 男性)
ビズヒッツのコメント「転職当時、『自分の市場価値』という言葉自体を知らなかった方も多数いました」
●調べ方がわからなかった
・調べ方を知らなかった(28歳 女性)
・どうやって調べたらいいか、具体的にわからなかったからです(30歳 男性)
ビズヒッツのコメント「現在では、市場価値を調べるためのツールがオンライン上で多数公開されています。しかし転職当時、診断ツールがあることを知らなかった人も多数いました」
●結果に自信がなかった
・価値が低いと転職活動をするのが怖くなってしまうので、わざと調べなかった(27歳 女性)
・自分に自信がなく、調べてガッカリしたくなかったからです(30歳 男性)
・現実を知るのが怖かったから(34歳 男性)
などが上がっている。
市場価値を調べた理由...「適正年収を知りたい」、「転職活動をスムーズにするため」、「キャリアと向き合うため」
一方で、自分の市場価値を調べた110人では、「適正年収を知りたい」が「50人」、「転職活動をスムーズにするため」が「31人」、「キャリアと向き合うため」が「12人」という順位になった。
それぞれに寄せられたコメントでは、
●適正年収を知りたい
・自分の能力で妥当な年収を知りたかったため(23歳 女性)
・どれぐらいの年収が見込めるか知りたかったため(44歳 男性)
ビズヒッツのコメント「『転職後に見込める年収』や『今の年収が妥当か』を知りたくて市場価値を調べた人が多くなっています。転職の目的が年収アップなら、適正年収は気になりますよね」
●転職活動をスムーズに進めるため
・自分の価値を知っておくことが、スムーズな転職につながると考えたから(29歳 女性)
・自分の立ち位置を知れば、候補企業が絞りやすくなると思ったため(32歳 女性)
・自らを客観視することで、転職に有利に働くと思ったから(36歳 男性)
ビズヒッツのコメント「中途採用では面接で希望年収を聞かれることがあるので、『自信の市場価値を知っていれば自信をもって答えられる』『交渉しやすい』と考える人も多くなりました」
●キャリアと向き合うため
・自分の市場価値を知り、「自分がやるべきこと」「学ぶべきこと」を知る必要があったため(33歳 男性)
・やりたい仕事と足りないスキルを明確にするため(42歳 男性)
なお、自分の市場価値を調べた方法では、「転職エージェントを利用した」が「36人」、「ネットの診断ツール」が「33人」、「ネット検索で調べた」が「19人」という順になった。
調査結果についてビズヒッツでは、以下のように指摘している。
「自分の市場価値を把握しておくことが、転職活動をスムーズに進めるために重要」とよく言われますが、実際に自分の市場価値を調べたことがある人は少数派でした。
『知らなかった』という人以外では、キャリアアップを求めていないため調べる必要がなかった人や、スキルに自信がなくて敬遠した人が多くなっています。
市場価値を調べる方法としては『転職エージェントに聞く』『診断ツールを使う』などが一般的。導き出された市場価値を転職活動に活かすための具体的なアドバイスが欲しいなら、転職エージェントに相談するのがおすすめです」
なお、この調査は2023年6月19日から28日にかけて、転職活動をしたことがある男女500人(女性306人/男性194人)を対象にインターネットリサーチを行った。回答者の年代内訳は10代が0.6%、20代が40.4%、30代が40.2%、40代が14.2%、50代以上が4.6%となっている。