従業員の転退職で倒産、2023年1~7月で前年を上回る34件...2年連続増 企業はこれまで以上に「本業で稼げるかどうか」問われる

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加速する賃上げ機運 従業員の給与面や、労働環境への不満解消を

   「従業員退職型」倒産を食い止めるには、「賃上げ」はひとつ、キーワードとなりそうだ。2023年は、値上げラッシュによる物価高騰をはじめ、資源高による水道光熱費などの値上げによって、企業の賃上げ機運は高まっている。

   それと前後して、大手企業では基本給の底上げ(ベア)への取り組みが進んでいる。このほか、7月に行われた厚生労働省の審議会では、今年度の最低賃金について、全国平均で41円(時給換算)引き上げ、1002円をする目安も定められた。

   今回の調査結果と、こうした賃上げ機運の動向を踏まえ、帝国データバンクでは以下のように指摘している。

「こうした『官製賃上げ』による最低賃金の上昇に加え、ポストコロナ下での人材獲得競争による労務費増加に対し、企業はこれまで以上に『本業で稼げるかどうか』が問われる。
業績の改善が伴わないまま、人材確保のための賃上げに踏み切れない経営体力に乏しい中小企業において、従業員の給与面や労働環境への不満を解消できずに人材が流出し、事業継続が困難になり倒産に至るケースが増加する可能性がある」
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