「動画強化」「マーケティングへのシフト」で利害が一致
このように見ると、YouTubeのショート動画へのシフトによりアドセンス売上が減少したUUUMが、アドセンス以外の収益を得る方法としてYouTuberとの共創事業を進める中で、赤字を出したのを機に、動画広告の強化を図りたいフリークアウト・HDの傘下に入った、といえそうです。
事業環境の変化を踏まえ、回復に時間がかかると判断し、事業構造を大胆に変えようと判断するスピードの速さに驚かされます。
今後UUUMは、YouTuberクリエイターのマネジメント事業から、インフルエンサーとともにビジネスを共創するマーケティング事業にシフトしていくことが予想されます。また、GPが持つYouTube向けコンテクスチュアルターゲティングを活用することで、UUUMのYouTuberの収益性が改善するかもしれません。
フリークアウト・HDとしても、動画広告とともに付加価値の高いマーケティング事業の強化が求められています。そのためUUUMとのシナジー創出が可能と判断し、両社の利害が一致したものと見られます。
なお、フリークアウト・HDの株価は、TOB発表前の8月10日(木)の終値は1230円を付けていましたが、連休明けの8月14日(月)には982円まで急落、直近の8月16日(水)は936円となっています。(こたつ経営研究所)