ヒカキンのUUUMを買収 フリークアウト・ホールディングスが期待するシナジーは?【よくわかる企業分析】

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ショート動画へのシフトで、収益が見込めないUUUM

   一方、TOBの対象となるUUUMですが、2023年5月期の売上高は前期比2.1%減の230億8700万円、営業損益は1億9500万円の赤字、当期純損益は10億5300万円の赤字となっています。

   減収の理由について、決算短信は「動画コンテンツにおいて長尺の再生数比率が下降傾向、一方で収益化が黎明期であるショート動画の再生回数は大きく伸長しているものの、アドセンス収益としては現時点で不安定であること等を受けて、アドセンス売上(注:YouTubeからの収益)が減少」「また、広告出稿抑制及びマーケティングにおける案件の多様化を原因として、マーケティング事業が苦戦した」ためとしています。

   減益の理由については、「P2Cブランドの棚卸評価損を売上原価に計上」したためとしています。P2Cとは「Person to Consumer」の略で、棚卸評価損とはインフルエンサーマーケティングの不調による在庫の劣化と考えられます。

   UUUMは「2023年5月期通期決算説明および今後の事業計画や成長可能性について」(2023年7月14日)の中で、「専属クリエイター数を減少させ、アドセンス以外の売上に注力」し、「インフルエンサー・ギャラクシー事業」を強化する方針を示しています。

   インフルエンサー・ギャラクシー事業とは、クリエイターのマネジメントにとどまらない「ビジネスの共創事業」を指します。

   直近の事業としては、人気YouTuber・HIKAKINのオリジナルブランド「HIKAKIN PREMIUM」の名の下に、全国のセブン-イレブン店舗で発売された人気カップラーメン「みそきん」です。

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『HIKAKIN PREMIUM みそきん 濃厚味噌ラーメン』『HIKAKIN PREMIUM みそきん 濃厚味噌メシ』(プレスリリースより)
こたつ経営研究会
こたつ経営研究会
有価証券報告書や決算説明書などの公開情報を分析し、会社の内情に思いをめぐらすニューノーマルな引きこもり。昼間は在宅勤務のサラリーマンをしながらデイトレード、夜はネットゲームをしたりこたつ記事を書いたりしている。好きなピアニストはグレン・グールド。嫌いな言葉は「スクープは足で稼げ」。
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