24年3月期連結決算、最終利益は従来予想より52億円多い156億円見込む 円安効果が大きいか
フジテックがどういう会社かを簡単に振り返っておくと1948年、エレベーターの生産販売などを行う「富士輸送機工業」として大阪市で創業。上場した1974年に社名を現在のフジテックに変更した。
その後、主力工場のある滋賀県彦根市に本社を移している。エレベーターの国内シェアは4位で、西日本に強い。海外売上高比率は6割程度。
第1四半期決算と同時に発表した業績予想の上方修正の内容もみていこう。
2024年3月期連結決算の売上高は従来予想より30億円増額し2260億円(前期比8.9%増)、営業利益は従来予想より4億円増額し138億円(18.8%増)、経常利益も従来予想より4億円多い155億円(16.3%増)、最終利益は従来予想より52億円多い156億円(85.0%増)。
最終利益予想が格段に増えて過去最高を更新する見込みなのは、連結子会社の固定資産売却による特別利益約52億円を計上することによるもので、一時的な要因ではある。その他の予想も従来予想を上回ってはいるものの、円安効果が大きいとみられる。
SMBC日興証券は2023年8月8日配信のリポートで、「円安による業績上振れを予想していたのでサプライズはない。想定通りに下期に中国需要が回復するかが焦点とみる」と指摘した。(ジャーナリスト 済田経夫)