エレベーター大手、フジテックの株価が2023年8月8日の東京株式市場で一時、前日終値比336円(9.4%)高の3893円まで値上がりし、上場来高値を更新した。
前日7日の取引終了後に発表した、2023年4~6月期(第1四半期)連結決算が2桁の増収増益だった好調な内容を投資家が好感して買いが集まった。
日本、東アジア、南アジア、米州・欧州...4セグメントとも増収、好調を維持 主力の日本では、前年同期から27.1%伸び
第1四半期決算の内容を確認しよう。売上高は前年同期比21.0%増の504億円、営業利益は77.3%増の38億円、経常利益は52.8%増の45億円、最終利益は24.6%増の35億円だった。売上高は第1四半期としては過去最高を更新した。
フジテックはほぼエレベーターとエスカレーター専業で、開示している「4セグメント」はメンテナンスを含めて展開している世界の地域を日本、東アジア、南アジア、米州・欧州の4つに分けたもの。その全4セグメントとも増収だった。
日本と東アジアで売り上げが復調し、南アジア、米州・欧州が好調を維持した。営業利益は、米州・欧州を除く3セグメントで採算性改善によって伸びた。一方、米州・欧州は英国で労務費が増加するなど採算性が悪化し、前年同期より減少した。
今後の経営に影響する第1四半期の受注残高は、前年同期比23.8%増の638億円と好調だった。
主力の日本で大型案件の獲得や原材料費高騰を反映した値上げの浸透によって、前年同期から27.1%伸びたことが貢献。米州・欧州が45.7%増、南アジアも52.0%増と好調だった。ただ、不動産市場が低迷する中国が不調な東アジアは1.5%減だった。