日本列島を6月に襲った極端な「大雨」。欧米では7月に異常な「熱波」に見舞われた。こうした世界で起こる異常気象は、「新たな日常」とも表現されている。
原因のひとつには、二酸化炭素(CO2)などの排出量の増加に伴う、地球温暖化があるとされる。だからこそ、世界中で「脱炭素」を推し進めようとしているのだ。
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そうしたなか、日本企業の「脱炭素」「脱炭素経営」は、どれくらい進んでいるのだろうか?
「これまで『脱炭素経営』に手付かずだった会社さんからもいよいよ、『どこから始めたらよいか』という相談が、担当者のもとに寄せられています」
こう話すのは、三井住友銀行(SMBC)の清水倫(しみず・りん)さんだ。企業経営の最前線をサポートする銀行の、それも現場からあがってくる声からは、待ったなしの「脱炭素経営」への切実感が伝わってくる。
今回は、2023年「脱炭素経営EXPO 秋展」(9月13日~15日/幕張メッセ)の営業責任者として、手腕を発揮するRX Japanの小笠原徳裕(おがさはら・のりひろ)さんが、三井住友銀行本店(東館)を訪問。
SMBCグループの取り組みや、「脱炭素経営」の最前線について、サステナブルソリューション部の清水倫(しみず・りん)さんと、デジタル戦略部の長山奨尉(ながやま・しょうい)さんに話を聞いた。
御社は「選ばれる企業」ですか? 「脱炭素経営」は働く人のモチベーションも高める
RX Japan 小笠原徳裕さん 融資業務などを通じて企業の経営、あるいは事業を支援する現場で活躍される銀行員(法人営業)のみなさんはいま、企業の「脱炭素経営」への関心の高さを肌で感じていますか。
SMBC 清水倫さん そうですね。法人顧客、つまり企業の関心は高く、現場の担当者への相談も増えています。最近は「脱炭素経営」が必要なことは理解できたけれど、では、いったいどこから手を付ければいいか、と聞かれるようです。
小笠原さん なぜ「脱炭素経営」が必要か、あらためて教えていただけますか。
清水さん 端的にいえば、「選ばれる企業」となるために、「脱炭素経営」はますます欠かせなくなってきました。さまざまなステークホルダーとの関わりにおいて、ポジティブに影響するからです。
それは、取引先として選ばれることもそうですし、自社の製品・サービスが消費者から選ばれるためにも重要です。また、社会に貢献していく企業姿勢は、社員との共感や信頼をもたらし、働く人のモチベーション向上にもつながります。
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小笠原さん さまざまな側面から、「脱炭素経営」はいまや欠かせない経営課題なのですね。では、何から始めたらよいのでしょうか。
清水さん 最初は、自社がどれくらいCO2を排出しているか、現状把握からです。そして、そのために必要なのがCO2の「見える化」。ダイエットにたとえると、現状で排出しているCO2(という体重)を測り、その後、いつまでにどれくらいCO2(という体重)を減らしていくか、削減計画を立てていくステップへと続きます。
小笠原さん でも、CO2排出量の算定業務は大変なのでは?
清水さん よくあるお悩みです。先行する大企業や、大企業の要請を受けたサプライヤーをのぞけば、CO2排出量を測ったこともなく、算定方法もわからない企業がほとんどかと思います。また、すでに取り組む企業にとっても、算定作業はさまざまなデータを収集しなくてはならず、算定作業も複雑で、大変でした。
SMBC 長山奨尉さん こうした課題の解決を目指して、SMBCは2022年5月、CO2の「見える化」をサポートする、CO2排出量算定・削減支援クラウドサービス「Sustana(サスタナ)」を立ち上げたのです。
乗り遅れると、ビジネスチャンスを失う? 最先端の動向は「脱炭素経営EXPO」で
長山さん 「Sustana」の特長は、算定業務をしたことがない人でも使いやすく、「初心者に優しい」ことです。SMBCの法人営業担当者がフォローしますし、システム上にも学習コンテンツを用意しています。この7月からは、株式会社日本能率協会コンサルティングと連携した、アドバイザリーサービスもスタートしました。
小笠原さん 「何から始めていいかわからない」という企業には魅力的ですね。
長山さん 最大の特長は、CO2の削減方法(施策)を示すレコメンド機能です。たとえば、電気使用量。毎月集計しているなかで、異常値が出たら知らせるとともに、解消する手段も表示される仕組みです。簡単にできるものから、大きなコストがかかってくる抜本的なものまで、120くらいメニューが用意されています。
「Sustana(サスタナ)」のページ画面(イメージ)。排出区分であるスコープ1(自社での直接排出量)、スコープ2(自社での間接排出量)、スコープ3(その他の間接排出量)の算定に便利。スタンダードプラン(月額5万円)とライトプラン(月額2万円)がある
小笠原さん CO2の「見える化」にとどまらず、「削減」のフェーズも視野に入れた設計ですね。
清水さん はい。というのも、「Sustana」は「見える化」だけではなく、企業にとって本当に大事な「削減」フェーズでも、私たちSMBCグループとしてサポートしていくところがポイントで、ビジネスモデルとなっています。
SMBCグループでは、「Sustana」を起点に、CO2を「見える化」し、削減ソリューションの提供者を紹介する「つなぐ」役割を担い、さらに「金融支援」を通じて、「脱炭素経営」に向けて伴走したいと考えています。
小笠原さん 「Sustana」を入り口とする、ワンストップなサービスなのですね。
清水さん ええ。たとえば、営業車をガソリン車からEV車にしたり、電力を再エネプランに切り替えたり、太陽光パネルの導入を検討したり......「削減」フェーズで持ち上がるであろう、お客様からの要望に対して、私たちはグループ会社や外部企業と連携することで、具体的な提案まで可能です。それにともなう、融資のご相談も承ります。
長山さん 「Sustana」の導入企業は、累計1200社以上。幅広い業種で使われていますが、とくにいまは中小企業にご利用いただきやすいライトプランをご契約いただく企業もどんどん増えています。多くの企業に「脱炭素経営」が広まっている証しといえるかもしれません。
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小笠原さん 「脱炭素経営」の裾野の広がりを感じるお話ですね。まさに私どもが主催する「脱炭素経営EXPO」も、「脱炭素経営」に取り組む企業を増やしたいという思いで開催してきました。おかげさまで3年目を迎え、出展社数や来場者数などの規模が大きくなっています。
清水さん 私たちも「春展」に出展させていただき、多くの会社さんと接点を持つことができました。今回の「秋展」の見どころはありますか。
小笠原さん 「脱炭素」を取り巻く国内外の動向、ビジネスは動きが速いところがあります。とくに、これからのキーワードとなりそうなのが、「脱炭素」にプラスして、「生物多様性」や「サーキュラーエコノミー(循環経済)」などです。
秋展では、これらのテーマと「企業経営」がどうつながるのか。今後、企業に求められることは何か。そのあたりの最先端の動向が垣間見えるセッションや業界トップによるカンファレンスなども用意しています。
小笠原さん こうした新しいテーマは、ルールづくりもこれから。ルールがつくられる前から、いかにビジネスにつなげていくか考える場、アイデアが生まれる場として、2023年「脱炭素経営EXPO 秋展」が機能したらうれしいです。
ところで、SMBCさんは「春展」に出展されて、率直な感想は?
清水さん ふだんは接点のないご来場者さんと「つながり」を持てたことが大きかったですね。たとえば、工場を管理されている方、研究開発に関わる方とのご縁に恵まれて、脱炭素ソリューションでご一緒しませんか、という話にもなりました。
長山さん システムの開発者として私は、みなさんからのリアルな反応がうれしかったですね。当日はデモ機に触れていただきながら、来場者さんから「こんなことはできないの?」とフィードバックに近いお声をいただけました。アップデート時の参考にもなりました。
小笠原さん リアルな場で、新たな出会いがあるのも「脱炭素経営EXPO」の魅力です。ぜひ商談の場としても、お役立ていただけたらと思います。
最後に、SMBCさんでは、企業の「脱炭素経営」に向けて、どんな貢献をされていきたいと考えていますか。
清水さん SMBCグループの2023年度からスタートした新しい「中期経営計画」では、その中核となるキーワードに「幸せな成長」を掲げています。
これは、GDP(国内総生産)の規模を追いかけるだけではなく、「脱炭素」をはじめとする社会課題を解決しながら、みなさんが幸せを実感できる成長を後押ししたい、という思いが込められています。今後も、「Sustana」を軸に、企業に伴走しながら、「幸せな成長」に貢献できたらと思います。
また、その積み重ねは、日本全体の成長にもつながると信じています。
小笠原さん 本日はありがとうございました。私としても、2023年「脱炭素経営EXPO 秋展」に行くと必ず気づきがあり、展示会で知見を増やしたり、商談をしたりすることで、日本企業の「脱炭素経営」が前進していく――そんな展示会にしたいと思っています。
企業の「脱炭素経営」のヒントとなるソリューションが一堂に会する、国内最大規模の脱炭素経営に特化した専門展「脱炭素経営EXPO」。2023年9月13日~15日には、2023年「脱炭素経営EXPO 秋展」が幕張メッセで開催される。脱炭素の潮流や先進事例などを取り上げるカンファレンスも毎回、大好評。こちらもお見逃しなく。
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【企業プロフィール】
三井住友銀行
https://www.smbc.co.jp/
三井住友フィナンシャルグループの基幹銀行。SMBCグループでは、銀行、リース、証券、クレジットカード、コンシューマーファイナンスなど、幅広い事業を展開する。