AI(人工知能)が浮沈のカギに...米テック企業の未来

GAFAMはどこへ向かうのか?

   マイクロソフトは、GAFAMでは5番目の企業と見なされている。だが、売上では4番目で純利益ではアップルに次ぐ2番目だ。

   とはいえ、内実はそれほどいいものではないという。景気の減速で、パソコンやゲームへの支出が減少したため、ウインドウズ製品やオフィス製品に大きな影響が出ている。

   前述したように、マイクロソフトはAIを搭載した「新しいビング」を提供し、グーグルに独占されている検索を取り戻そうとしている。さらに、マイクロソフトのさまざまなオンラインアプリにAI機能を搭載する予定だそうだ。

   GAFAM以外で取り上げているテスラだが、EV(電気自動車)メーカーとしてだけではなく、最先端テクノロジーを駆使してクリーンエネルギーのエコシステムを作り出す企業、テクノロジー企業としても評価している。

   また、テスラ車は単なる電気自動車ではなく、データを生み出す道具となっており、すでにビッグデータを扱い、ソフトウェアを作成・配布する、テック企業となっているとも。

   このほかに、GAFAMのライバルとして、流通大手のウォルマートや中国の電気機器メーカーTCL、中国テック企業のバイドゥ、アリババ、テンセントなどを挙げ、その動向にも触れている。

   最後にGAFAMはどこへ向かうのか? 世界最大の人口ボリューム層、Z世代に注目している。地球環境問題に関心が高く、彼らを取り込むサービスを提供できるかどうかがカギになりそうだ。(渡辺淳悦)

「GAFAM+テスラ 帝国の存亡」
田中道昭著
翔泳社
1760円(税込)

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