メタバースは5兆ドル市場に
GAFAMの中でも、最も先行きが不安視されているのがメタ(旧フェイスブック)だ。
フェイスブックの売上のほとんどが広告収入で、22年10~12月決算では、純利益が前年同期比55%減と、5四半期連続の減益となった。
事業の中心をメタバースの開発と提供に移すことになり、不安視されているが、田中さんは「すでに世界ではメタバース、仮想現実が思っている以上に身近になってきている」と見ている。
Z世代(1990年代後半から2012年頃に生まれた世代)の若者たちは、「ロブロックス」というオンラインのゲーミング・プラットフォームで遊び、アメリカでは「メタバースの本命」と言われているそうだ。
メタバースの市場規模は2030年には5兆ドルに達するという予測もあり、多くの企業が参入しつつある。
「アップルのAR(拡張現実)・VR(仮想現実)端末発売で本当のメタバース元年になる」
田中さんはそう見ている。アップルが開発しているのはMR(複合現実)ヘッドセットで、視線と手の動きで操作可能で約3000ドルと予想している。5兆ドルという膨大なメタバース市場の覇権を握るのは、アップルになる可能性も高いという。
アップルはほかにも、ヘルスケア分野に力を入れている。
アップルウォッチはもはや「医療機器」とも呼べる水準にまで達しており、ヘルスケア市場の新たなプラットフォームになるだろうと予想している。
アップルはAIに乗り出さないのか? 「マイクロソフトとグーグルの熾烈な争いを眺めている段階」だが、いずれ投入してくるはず、と見ている。