「人事評価を聞く前に、振り返りしろなんて!モラハラでしょ?!」と訴えるベテラン部下...どう諭す?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE34(前編)】(前川孝雄)

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部下自らによる振り返りを促す

   上司は、まず週次や月次の定例ミーティング等で、部下一人ひとりの業務進捗の確認と相談に乗ることが第一です。

   そのうえで、3か月や6か月の節目ごとに育成面談を行い、部下自身による仕事の振り返りと自己評価を促し、上司からの評価もフィードバックしましょう。その結果を踏まえ今後の仕事を展望することで、本人の成長を促せるのです。

   部下は、ミスや失敗へのマイナス評価を恐れ、自分の仕事の振り返りに消極的姿勢を示す場合があります。自分が責められるのを回避しようと問題解決を先送りし、自己防衛に陥りがちです。

   しかし、安易な逃避を許してはいけません。上司は、本人のためにこそしっかり仕事を振り返らせ、課題にも正面から向き合わせることが大切なのです。

   また、部下が上司に対し心理的な距離感を抱いている場合、一歩踏み込んだ指摘によって本人の内省を促すのは容易ではありません。昨今ではハラスメント意識の高まりから、上司の強い助言がパワハラと見なされる風潮もあります。

   そこで、本人の育成が目的であることを明確にしながら、しっかり対話をしていきたいものです。

   部下自身による振り返りを優先するのも、本人のためゆえです。

   冒頭のCASEのように、上司からの評価やアドバイスもなく、責任追及のための場だと受け止められては不本意です。自ら振り返る力をつけることが、本人の成長のためであることをまず納得してもらうように努めましょう。

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