「トップのクビが飛びかねない」 企業向け保険カルテル疑惑...不祥事に揺れる損保業界

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発端は、東急Gの火災保険契約入札での不自然な動き 各社が調査を進めると、同様の事案が判明

   カルテル疑惑の発端は2022年12月、私鉄大手の東急グループ(東急G)が火災保険契約の入札で、不自然な動きに気づいたことだ。

   東急Gはこれまで、大手損保4社と3年契約で総額20億円程度の保険契約を結んでいた。その更新に際し、4社に見積もりを求めたところ、入札の提示額が3年契約で30億円程度と横並びに。不審に思った東急Gが、損保側に調査を求めた。

   ここで、まず「白旗」を揚げたのが、東京海上日動火災保険だ。

   外部弁護士による調査を進めたところ、損保の担当者間で価格調整を行っていたことを担当者が告白。東京海上日動は2023年6月20日、「当社社員が主導した『保険料の調整行為』が行われた」などとカルテル行為を認める声明を出した。

   こうなると、他社も頬被りは不可能で、追認を余儀なくされた。

   ただ、損保業界内ではこの時点ではまだ「東急Gだけの個別の問題」「担当者の認識が甘かっただけだ」など、大ごとではないとの受け止めが多く、楽観的な空気がただよっていた。

   しかし、各社がさらに調査を進めると、他の業界向けの保険でも同様の事案があったことが次々に判明。大手4社はいま、上へ下への大騒ぎとなっている。

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