損害保険業界が不祥事に揺れている。
中古車販売大手、ビッグモーターによる保険金不正請求問題では当初、損保各社は「被害者」とみられてきたが、損害保険ジャパンなどがビッグモーターに多数の出向者を派遣していたことが発覚し、雲行きが怪しくなっている。
加えて、企業向け保険のカルテル疑惑が浮上し、「トップの首が飛びかねない」と、損保業界は戦々恐々となっている。
ビッグモーター問題以上の衝撃に...金融庁、損保大手4社に報告命令 公取委、独占禁止法違反の疑いで調査
ビッグモーター問題は、事故を起こした自動車保険契約者にビッグモーターの整備工場を紹介する見返りに、有力な損保代理店の一面を持つビッグモーターから、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の割り振りを受けていたという問題だ。被害者どころか、「共犯では」と批判を浴びている。
ビッグモーター問題以上に業界の衝撃を与えているのが、企業向け保険のカルテル疑惑だ。
金融庁が損保大手4社に報告命令を出したほか、公正取引委員会も独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで調査に入った。
損保側から不当に高い保険料の請求を受けていたとみられる企業も次々と明らかになっており、もはや逃げ切れない状況だ。