「バカ上司ふざけるな、会社なんて辞めてやる!」そう思った時に読みたい本【尾藤克之のオススメ】

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   「人と会いたくない......」「仕事がうまくいかない......」「外出したくない......」「自分を好きになれない......」「将来が不安......」。そんなあなたでも、読むだけで、聞くだけで、ポジティブで明るい気持ちになれる! 今回はそんな一冊を紹介したい。

『読むだけでフワッと癒やされる本』(樺沢紫苑著)マイナビ出版

いまの職場は、ツラいですか?

   みなさんに、お聞きしたい。いまの職場はどんな感じでしょうか? 「職場は自分が成長することで楽しくなる」と、著者の樺沢さんは言う。

「仕事を辞める理由はさまざまです。仕事内容や職場環境が合わないからかもしれませんし、人間関係が悪くなったからかもしれません。レジリエンスの低さが仕事を辞めたくなってしまう原因かもしれません。レジリエンスとは心のしなやかさです。低いとメンタル疾患になりやすく高いとストレスに柔軟に対応できます」(樺沢さん)
「レジリエンスとはいわば『心のバネ』です。弾力があればストレスがかかってもダメージを緩めたり受け流したりすることができます。レジリエンスが低ければストレスの直撃を受けてしまいます。 特に職場ではストレスを受ける機会が多くなります」(同)

   また、職場は、最初から楽しかったり、必ずしもやり甲斐を感じたりできるところではないと、樺沢さんは続ける。

「常に深刻に受け止めてしまうと、ストレスに耐えられなくなって仕事を辞めたくなります。余裕を持ったほうがよいでしょう。苦手な仕事であれば『自分の苦手を克服するチャンスだ』と思ってみる。『なんで苦手なことをやらされるんだろう』とネガティブに考えると辛くなります。自分の『成長のチャンス』だととらえましょう」(樺沢さん)
「人は物事を楽しめる能力を持っているかいないかで、人生の楽しさが変わってきます。楽しめる能力がない人は、どんな職場に行っても苦行です。自分が成長して変わっていこう、自分の持っている能力を活かして楽しもう、と心掛ければ楽しく仕事を続けられるようになり、レジリエンスを高めることになります」(同)

ストレスを楽しもう

   私が以前、コンサル会社に勤務していた時、行動規範に「ストレスをコントロールせよ」というものがあった。ストレスは、成果や行動に影響を与えるものと考えられていた。ストレスをコントロールしていくことが重視されていたのである。樺沢さんは次のように指摘する。

「人間関係がストレスだというのは、人の言うことや態度を真に受けてしまうからです。闘牛を思い浮かべてみてください。猛牛があなたに向かってきます。あなたはこの牛を真正面から受け止めようとしています。体当たりをされればはね飛ばされるでしょう。踏ん張れても牛は何度でも体当たりしてきます。そしてはね飛ばされます」(樺沢さん)
「一方、プロの闘牛士は牛とぶつかることはありません。ひらりひらりとかわします。これはストレスをスルーしているのと同じです。だからはね飛ばされることもなく、そのうち牛のほうが疲れてしまいます。ストレスは日常生活の中にいくらでもあります。毎日楽しいことばかりではありません」(同)

   私にも多くの職歴があるものの、人間関係が円満だった職場は皆無に近かった。だから、ストレスをコントロールしていくしかないのである。また、人にはそれぞれ言い分があることも理解しなければならない。

   つまり、職場の人間関係などどうでもいい。会社を辞めれば、二度と会わない関係にエネルギーを費やすなど愚の骨頂である。そんなものより、家族やパートナー、趣味を大切にしたい。嫌な人間関係は適当にあしらいスルーすればいい。本書はストレスの本質を説いている。多くの人に気づきになるかもしれない。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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