じつは「普通」がむずかしい
著者の中村さんは幼いころより体が弱く、癇癪や、過剰に集中し過ぎてしまう「過集中」、さらには物忘れがひどく大変な毎日を送ってきたそうである。大学受験では過集中がプラスに働き、偏差値40を70まで上げて志望大学(同志社大)に合格するも、入学後は華やかな学生たちに馴染めず、人間関係も思考もぐちゃぐちゃに......。
ところが、「過集中」がプラスに働いて、「声の世界」へはいることとなった。ナレーターの道を勧められ、大学卒業と同時に現在の事務所に所属することになる。ナレーターは高い集中力が必要な仕事で、短所を長所として活かしながら活躍している点も興味深い。
「過集中」しているときには、人の声が聞こえないらしい。気が散らないから、全く噛まずに読めるそうだ、また、何かに没頭すると、徹底的に調べまくるクセがある。表現力・国語力の高さが評価され、数々のオーディションに合格した経験もある。
この本では、著者を長年の成功に導いた数々のライフハックを公開している。ビジネスですぐに使えるものから、プライベートの悩みを解決するものまで盛りだくさん。いずれも自分の人生を幸せにしてくれる、非常に「シンプル」な方法ばかりである。(尾藤克之)