ヘンリー王子「単独来日」は王室復帰への第一歩?! 海外メディアが注目する「暴露本」から「チャリティ事業」へのイメチェン大作戦(井津川倫子)

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王室復帰が遠のいた? ヘンリー王子称号「はく奪」ニュースの意外な舞台裏

   ヘンリー王子の来日が話題になるなか、なんと、英国王室のウエブサイトが更新されて、ヘンリー王子の称号がはく奪された、というニュースが飛び込んできました。

Prince Harry's 'His Royal Highness' title removed from royal family website
(ヘンリー王子の「ロイヤルハイネス」という称号がロイヤルファミリーのウエブサイトから消されていた:英インディペンデント紙)

   「His Royal Highness(殿下)」はロイヤルファミリーであることを表す称号です。2020年にヘンリー王子が英国王室を離脱した際、離脱後の称号がどうなるのか大きな注目を集めましたが、英国王室は「今後王子は公務を行うロイヤルファミリーではなくなるため『HRH(殿下)』の称号は使わない」と発表。王子もそれに合意していました。

   ヘンリー王子の称号はとっくにはく奪されているはずなのに、なぜこのタイミングで「速報」が流れるのか不思議に思っていたら、意外な舞台裏が見えてきました。

   英国王室のコメントによると、故エリザベス女王の逝去やチャールズ国王の就任など、世代交代やビッグイベントが相次ぎ、公式ウエブサイトに膨大な修正作業が発生。英国王室の公式ウエブサイトは、なんと5000ページを超える情報量を誇っているため、修正作業も大変な負担になっていたとか。

   つまり、「王室復帰」説がささやかれるタイミングでホームページ上から「殿下」の称号が消えたのは、王室の策略やメッセージではなく、単にウエブサイトのメンテナンス作業が追いつかなかっただけ、という、ちょっとなさけない理由だったようです。

   「称号はく奪事件」の真意のほどはわかりませんが、「メンテナンスミス」でさえ、各国メディアが速報で流す注目度の高さは、起死回生を図るヘンリー王子にとって「諸刃の剣」であることは間違いなさそう。

   今回の来日がポジティブに転ぶかネガティブに転ぶかは、メディアがどう伝えるかに左右されそうです。

   それでは、「今週のニュースな英語」は、「turn tide」(潮目を変える)を使った表現です。以前も紹介したことがありますが、今回は、最近のニュースで使われた「生の事例」をご紹介しましょう。

G-7 can turn the tide on digital trade
(G7は、デジタル貿易の潮目を変えることができる)

Tide turns finally for Japanese stocks
(とうとう、日本株の潮目が変わってきた)

Kiev's drones turn tide of conflict of Black Sea
(キエフのドローンが、黒海紛争の潮目を変える)

   この記事を書いていたら、ヘンリー王子が東京でのスポーツ振興イベントに「ノーギャラ」で参加したというニュースが飛び込んできました。「善良」なイメージがさらにプラスです。

   正直、メーガン妃の不在がここまでプラスに働くことに驚きますが、これまでのところ、「PR戦略」の滑り出しは上々の様子。「王室復帰」への道のりは、案外近いかもしれません。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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