東証プライムからスタンダードへ「降格」? モバイルファクトリーに何が起こったのか【よくわかる企業分析】

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自己株式取得も、「焼け石に水」

   モバイルファクトリーは現在プライム市場に上場していますが、上場維持基準に適合していない項目があり、2021年11月12日に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を開示しました。

   不適合の項目は「流通株式時価総額」で、上場維持基準100億円のところ58億円という状況でした。このとき会社は「株価」ならびに「時価総額」の低迷の主な要因を「株主および投資家の求める業績水準に達していない」ためとしています。

   そこで会社は「中期経営計画(2021~2025)」を策定し、「ユニマ」を中心としたブロックチェーン事業を位置情報連動型ゲームに並ぶ収益の柱とすべく取り組んでいます。

   しかし、その後の業績は前述の通りで、既存のゲームタイトルに依存する収益構造に変わりがなく、期待のブロックチェーン事業は赤字が続いているうちにWeb3市場が冷え込んでしまいました。

   このような状況で、2022年12月末時点の流通株式時価総額は36億円まで落ち込み、会社は2023年1月27日に自己株式の取得を発表しましたが、株価は戻りません。

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モバイルファクトリーの直近1年間のチャート(TradingViewより)

   計画書には、2025年12月末までの基準適合を目指すとしていましたが、このままでは上場廃止の可能性も出てきたため、会社はついに7月25日にスタンダード市場への選択申請を行うと発表しました。なお、スタンダード市場の流通株式時価総額基準は10億円で、モバイルファクトリーはこれに適合しています。(こたつ経営研究所)

こたつ経営研究会
こたつ経営研究会
有価証券報告書や決算説明書などの公開情報を分析し、会社の内情に思いをめぐらすニューノーマルな引きこもり。昼間は在宅勤務のサラリーマンをしながらデイトレード、夜はネットゲームをしたりこたつ記事を書いたりしている。好きなピアニストはグレン・グールド。嫌いな言葉は「スクープは足で稼げ」。
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