「追加募集を行う企業が増えてくる、チャンスはある」
さらに、速いペースを反映して、進路確定率も8割近い77.4%(昨年よりプラス2.2ポイント)と過去最高水準に達している【図表4】。
その一方で、内定辞退企業数が多いことも、今年の特徴だ。早くも2社以上を辞退した人が37.2%(昨年よりプラス3.7ポイント)もいるのだ。内定辞退率は7月1日時点から2.3ポイント増加し、62.5%(昨年よりプラス1.3ポイント)と例年以上に高い。
内定取得者の活動実施率も12.7%と、終盤戦にもかかわらず、1割以上の人が「もっと自分に合った企業があるのではないか」と必死に就職活動を続けているのだ。もちろん、内定をまだ取っていない人の就職活動実施率は85.6%と、暑い中、気力が衰えることなく自分の未来を託すに値する企業を探し回っている。
就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏はこうコメントしている。
「8月1日時点の大学生の就職内定率は86.6%、進路確定率は77.4%と、7月1日時点から7.7ポイント増加し、7月中に進路確定が進んだ様子がうかがえます。
内定保有企業数は平均1.06社と、複数内定を取得した学生の多くが1社に絞り、他企業の内定を辞退していることを踏まえると、追加募集を行う企業も増えてくることが考えられます」
と、まだまだチャンスがあると指摘。
「内定取得に向けて活動を継続している学生の皆さんは、現在の志望範囲のまま伝え方の工夫をしていくのか、自分の強みや自分らしさをより生かせそうな志望先に変更するのかなど、今後の活動方針を第三者の意見も参考にしながら検討し、追加募集の機会の活用も含め、より自分に合った仕事・企業に出合えるよう活動を進めていただきたいと思います」
と、就職活動を続けている学生にエールを送った。
調査は、2023年8月1日~4日、2024年卒業予定の大学生・大学院生を対象に、リクルートが運営する就活支援サイト「リクナビ」のモニターに登録した学生4567人(大学生3574人・大学院生993人)にアンケートした。(福田和郎)