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相続・登記のルールが2024年から大きく変わる

   「週刊東洋経済」(2023年8月12日・19日合併号)の特集は「相続登記空き家2024年問題」。相続や登記・空き家にまつわるルールが、2024年から大きく変わる。正しい理解と早めの備えが肝心だ。

   各種のルール改正の中でも、影響範囲が最も広いのが、24年4月に開始される「相続登記の申請義務化」だ。

   たとえば、亡くなった親から実家を受け継いだ場合、現在は相続登記(名義変更)の申請をする義務はない。そのため、数十年にわたって名義が変更されず、長年放置されたことで実質的な所有者がわからなくなり、処分しようにもできずに廃墟化する不動産が、全国に急速に増殖している。相続登記の申請義務化は、それを防ぐために導入される制度だ。

   空き家が招く「国土廃墟化」について、警鐘を鳴らしている。

   総務省の「住宅・土地統計調査」によると、2018年の空き家数は849万戸で、住宅総数に占める割合は13.6%。7戸に1戸が空き家状態にある。

   その中でも賃借や売却ができない「その他住宅」が、空き家全体の41%を占め、社会問題になりつつある。そうした住宅の割合が最も高いのは、高知県で12.7%。トップ10には四国4県がすべてランクインしており、対策が待ったなしの状況にある。

   空き家所有者がしておけばよかったと後悔したことをまとめている。

   1位は「家財の処分方法や費用などの確認」、2位は「空き家予防のための情報収集」、3位は「専門家への相談」、4位は「相続手続きや税金などの情報収集」となっている。

   同誌が2600人を対象に行ったアンケート調査の結果も興味深い。

   「ゴミ屋敷状態の実家の片付けを業者に依頼したところ100万円を要し、10人で4日間、2トントラックで12台分の廃棄物が出た」「押し入れの中に使わない物がたくさん押し込まれており、業者に処分費用を聞くと、50~80万円を提示された。死ぬときは物と一緒にお金をセットで残す必要があると思う」など、切実な声が寄せられている。

   タレント・女優の松本明子さんのインタビューに驚いた。松本さんは、両親の死後、空き家になった実家を25年にわたり維持し続け、リフォームを含む費用は1800万円を超えたという。

   「実家の方向性を家族で共有しておくことが大切だ」といい、経済的にも体力的にも大変になるので、実家じまいは先延ばしにしないよう、アドバイスしている。

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