「植田ショック」に合わせ、岸田政権の経済対策も公表されるべきでは?
本来、金融緩和策は、将来の消費や投資を現在に前借りする政策であり、高い生産性を前提としなければ前借りする意味がありません。
しかし、低金利政策が10年以上続いたことで経済の新陳代謝が鈍り、結果的に潜在成長率は0.3%まで縮小しています。
この財政規律の緩み(日銀の国債買入額は2022年度末で約581兆円まで積み上がっていて財政ファイナンスとも揶揄されています)を引き締めなければ、将来に大きな禍根を残すことになります。
ですから、財政の健全化に着手するためには適正と考えられる金利水準まで、緩やかにかつ極めて慎重なプロセスを経て引き上げることが求められています。
また、金融政策のみで景気を浮揚させることができないことは、この10年間の異次元緩和が示すところでもあって、何よりも確実な将来に対して処方箋としての成長戦略が必要です。
その意味で、「植田ショック」に合わせた岸田政権の経済対策が何らか公表されてしかるべきかと思います。