日銀、金融緩和政策を「軌道修正」 住宅ローン金利への影響は?...専門家が解説(中山登志朗)

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住宅ローン固定金利の上昇圧力高まる 変動金利の動きは?

   これに対して、唯一動きがほぼないと考えられるのが住宅ローン変動金利です。

   変動金利は短期金利(短期プライムレート)と連動しており、市場参加者も限られるため、長期金利の上昇圧力が高まるなかでもマイナス金利を維持。そして、結果的に現状の0.2%~0.4%台の貸出金利(代表的な金融機関の優遇適用後新規貸出金利の平均)で横ばい推移する可能性が極めて高いと考えられます。

   実際に2016年以降の住宅ローン金利の動向を確認しても、変動金利は極めて安定的に推移していることがわかります。また、現状では住宅ローン利用者の約80%弱が変動金利で借り入れていることもあり、今後も変動金利で借り入れるユーザーの割合が増え続けることが想定されます。

   なお、変動金利で借り入れればOKということではなく、技術的には返済総額がより少なくなる元金均等払いを選択するべきです。

   たとえば、将来の変動金利の金利上昇を考慮してローンを2つに分けておき、いずれかを変動から固定に切り替えられるミックスローンもあります。金利水準だけを確認するのではなく、より有利な借り方を研究して、賢く住宅ローンを維持・継続できるよう工夫していただきたいと思います。

中山 登志朗(なかやま・としあき)
中山 登志朗(なかやま・としあき)
LIFULL HOME’S総研 副所長・チーフアナリスト
出版社を経て、不動産調査会社で不動産マーケットの調査・分析を担当。不動産市況分析の専門家として、テレビや新聞・雑誌、ウェブサイトなどで、コメントの提供や出演、寄稿するほか、不動産市況セミナーなどで数多く講演している。
2014年9月から現職。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任する。
主な著書に「住宅購入のための資産価値ハンドブック」(ダイヤモンド社)、「沿線格差~首都圏鉄道路線の知られざる通信簿」(SB新書)などがある。
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