SDGsで力を入れている項目は「働きがいも経済成長も」32.8%で最多に
続いて、SDGsのゴールである17の目標のなかで、現在力を入れている項目を聞いた。働き方改革や労働者の能力向上などを含む「働きがいも経済成長も」が、「32.8%」で最多となった。
次いで、再生可能エネルギーの利用などを含む「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」(25.0%)、リサイクル活動などを含む「つくる責任つかう責任」(24.1%)、カーボンニュートラル製品開発などを含む「気候変動に具体的な対策を」(22.6%)が続く。
では、今後力を入れていきたい項目は――。これについて質問すると、「働きがいも経済成長も」が「12.1%」で最多に。全項目のなかで唯一、10%を超えた。次いで、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」が「8.1%」や、「気候変動に具体的な対策を」は「7.2%」などで上位に上がった。
このほか、取り組みによる効果を聞いた。それによると、「効果を実感」している企業の割合は69.2%だった。具体的な効果として、「企業イメージの向上」が「38.1%」、「従業員モチベーションの向上」が「32.9%」、「経営方針などの明確化」が「18.1%」などが上位を占めた。
帝国データバンクでは、「『売り上げの増加』が12.7%、SDGsをビジネスチャンスとして捉え『新規事業立ち上げ、新商品・サービス開発』につながった企業が8.7%あり、社会課題の解決と企業の成長は両立できることを示した事例がでている」としている。
最後に、同社は調査について、
「SDGsに取り組む企業の約7割が取り組みの効果を実感していることが分かった。
『企業イメージの向上』が4割近くでトップとなり、『従業員のモチベーションの向上』など非財務面での企業価値の向上に関する効果が上位に並んでいた。
また、『売り上げの増加』や新商品開発等につながった企業もあり、SDGsへの取り組みは社会課題の解決への貢献だけでなく、企業価値の向上やビジネスチャンスの獲得、ひいては業績の改善にも結びつくようだ」
とSDGsに取り組む効果を指摘。そして、
「一方で、特に中小企業からは『どのように対応すれば良いかわからない』や『人材面・費用面での余裕がない』といった声が依然として多く聞かれた。
しかし、SDGsへの取り組みには、『ペーパーレス化』や『ワーク・ライフ・バランスの推進』などといった、多額の費用や新たな人材を投入せずに推進できるものもあり、気軽にできることから始めてみるとよいではないだろうか」
と中小企業の課題についてコメントした。解決に向けては、
「また、官民が一体となって、実際の取り組み事例などの情報発信の強化に加え、費用が発生する取り組みに対して補助金制度など公的支援によるサポートが望まれる」
と指摘している。