ビジネスパーソンの夏のボーナス事情とは?
就職・転職に特化した匿名相談サービスを開発・運営する株式会社ライボ(東京都渋谷区)は2023年7月24日に、714人の社会人男女を対象にした「2023年 夏ボーナス実態調査」の結果を発表した。
調査によると「2023年の夏ボーナス支給」の有無について、「支給あり」が58.4%、「支給無し」が41.6%となった。同社の調査では、過去5年で、「支給あり」が最多になった。
一方で、支給されたボーナスの使い道は? これについては「半分以上貯金」が36.3%、「ほぼ全額貯金」は24.9%となり、あわせて61.2%となるなど堅実な様子。ちなみに、平均貯金金額も40.6万円だという(中央値は30万円)。
同社では「物価高によって資産に注目せざるを得ない状況になるなど、現実的な意識が芽生えている中、旅行や買い物にも票が集まっていることから、コロナ5類移行によって消費意識が増加している傾向が見られます」と指摘している。
夏のボーナス「支給あり」58.4%、「支給なし」41.6% 「支給あり」は前年比6.7ポイント上昇
この調査は、2023年7月5日から10日までの間、全国の社会人の20代から50代で同社のサービス「JobQ Town(ジョブキュータウン)」登録する714人(男性6割、女性4割)を対象にインターネット調査をした。
はじめに、回答者全体に「2023年の夏ボーナス支給」の有無を聞くと、「支給あり」が「58.4%」、「支給無し」が「41.6%」となった。
2019年から2023年までのボーナス支給の推移を見てみると、「49.0%」(2019年)、「47.2%」(2020年)、「49.0%」(2021年)と過半数を割っていたが、2022年は「51.7%」、2023年は「58.4%」と5年で最高になっている。
続いて、支給金額の調査によると、今夏ボーナスの支給ありと回答した417人に記述回答で聞くと、今夏ボーナスの平均支給額は「79.0万円」。なお、中央値が「60万円」、最頻値が「50万円」という結果になった。
過去5年の平均支給額推移を見ると、2019年が「72.3万円」、2020年が「76.4万円」、2021年が「78.0万円」、2022年が「79.5万円」と増加しているが、2023年は「79.0万円」に微減する結果になった。
男女別ではどうか。調査によると、2023年にボーナスが支給された男性は「63.6%」で、支給平均は「93.6万円」、中央値は「75万円」となった。
一方で、2023年にボーナスが支給された女性は「49.6%」と男性よりも14.0%少ない。支給額も平均「46.8万円」で中央値は「33万円」となった。
物価高騰で「消費に消極的」67.1% でも、アフターコロナで「消費に積極的」76.7%
また、物価高騰によるボーナスの使い道に変化ありと回答した289人に対して、消費活動の影響について聞いた。消極的になった派が「67.1%」(とても消極的になった:19.0%、消極的になった:24.6%、やや消極的になった23.5%)になった。
さらに、コロナ5類移行によるボーナスの使い道に変化ありと回答した167人に聞くと、消費活動の影響について、「とても積極的になった」が6.0%、「積極的になった」が23.4%、「やや積極的になった」が47.3%で、あわせて積極的になった派が76.7%になった。
一方で、ボーナスはどれくらい貯金に回すのだろうか。これについて質問したところ、ボーナスの「ほぼ全額貯金」は「24.9%」で、「半分以上を貯金」が「36.3%」、「半分以下を貯金」が「22.5%」となり、半分以上貯金する人は「61.2%」となった。
貯金額の平均と中央値によると、平均金額は40.6万円、中央値は30万円という結果になった。
また、ボーナスの支給ありと答えた417人を対象に、「『理想』の使い道と『実際』の使い道」に関しても聞いている。
調査によると、「理想」の上位には「預貯金」が「59.2%」で最多に、次いで「旅行」が「56.4%」、「投資」が「48.2%」となった。
一方で「実際」の使い道では「預貯金」が「57.1%」で最多。次いで「買い物」が「33.8%」、「旅行」が「29.3%」となった。
自由回答を見てみると、
・ボーナスは子供の習い事や教育費に消えるので物価高騰によって貯金に回せる額が減りました
・物価も上がっているし今回は使わず我慢するが、他の人はどう使うのか気になる
・今まで我慢していたので、コロナ5類に移行したしボーナスを使ってもいいのかなと思います
・コロナ5類移行もあったが、秋に旅行にいきたいので今は貯金に回すことを考えています
といった物価高騰とアフターコロナに関する意見が上がった。
この調査に対してライボのコミュニケーション戦略部広報兼Job総研担当の高木理子氏は以下のようにまとめている。
「今夏ボーナスが支給された417人のうち、半分以上貯金する派が61.2%で平均額が40.6万円となっており、今夏ボーナスの使い道の理想と現実でも、預貯金が最多回答となっています。
理想の夏ボーナスの使い道では、預貯金に次いで旅行56.4%・投資48.2%が上位を占めている一方、実際の夏ボーナスの使い道では、預貯金に次いで買い物33.8%・旅行29.3%という結果になりました。
物価高によって資産に注目せざるを得ない状況になるなど、現実的な意識が芽生えている中、旅行や買い物にも票が集まっていることから、コロナ5類移行によって消費意識が増加している傾向が見られます」