水産物「対ロ輸出」制裁の対象外 スーパー、外食向け仕入れ...
対ロシアの取引企業を影響度別にみると、原材料をロシアから仕入れたり、主力取引先がロシアをサプライチェーンにしたりするなど、対ロシア貿易の動向が経営に影響を及ぼす恐れのある日本企業は3184社となり、22年から31.6%減少した。
対ロシア輸出・輸入別にみると、特に「輸出」関連の取引で大幅に減少。「直接取引」の企業数は微減だったものの、関連する取引企業が大幅に減少して、輸出全体で4567社、41.6%減少した。
取扱品目では、対ロ輸出が大きく増えた中古自動車や、生産設備など機械・設備が多く、昨年時点から大きな変化はみられない。取引企業のすそ野が広い大手完成車メーカーや機械メーカーが、対ロシア向け取引などを停止したことが大きく影響した。
一方、対ロ禁輸制裁の対象外となる食品などでは、ロシア向け需要の高まりから取扱高が伸長したケースもみられた。
「輸入」関連の取引は149社、3.2%増加した。直接輸入を行う企業は昨年から2割超の減少となったものの、関連取引企業の増加が影響したかたちだ。
取扱品目では、ウニやイクラ、カニをはじめとした水産物など食品に加え、建築資材向けの木材などが多くを占めた。
ウクライナ侵攻によって、ロシアからの調達が困難となり取引を解消した企業もある。だが、その一方で、水産物が対ロ禁輸の制裁の対象外であることを背景に、スーパーや外食産業向けに仕入れるケースがみられた。
総じて、日本企業の対ロシア輸出入動向では、対ロ禁輸制裁対象外の品目を中心に取引活動が続いている。