ビジネスパーソンにとって30代、40代は、上司もいて、部下もいて、あるいは周囲の活躍も気になって...という悩み多き世代ではないでしょうか。
当コラム「その仕事の悩み、こんなふうに考えてみよう。」では、キャリアや生活にまつわる悩みに、組織や人材開発、コーチングに詳しい「ひろ子ママ」が、アドバイスやエールをお送りしていきます。
◆きょうのお悩み
きょうはIさんが、こんな悩みを抱えていらっしゃいました。「新しい部署に異動になり、今の上司は苦手なタイプです。資料を作成していると都度チェックが入りますし、打ち合わせの前には必ず流れなどのチェックもあります。常に仕事をチェックされていて気持ちが落ち着かなく、仕事もはかどりません。以前の部署では伸び伸びと仕事ができていたのになあ」
過干渉すぎる「マイクロマネジメント」とは
Hさんが過干渉すぎると感じている上司のマネジメントのことを「マイクロマネジメント」と言います。上司やリーダーが部下の仕事を細かくチェック・管理しようとする手法です。
集中して資料を作っていたり、トラブル対応で忙しくしていたりしていても、「明日の打ち合わせの準備できた?」「さっき頼んだ資料どうなっている?」と何度もチェックしてきたりします。
マイクロマネジメントは必ずしもマイナスなものではなく、業務の進め方がわからない新人に対しては、細かい指示をすることによって、仕事がスムーズに進むなどメリットもあります。
しかしHさんの場合はもう新人ではないので、必要以上にチェックや管理をされると......「うっとうしい!」と思う気持ちもわかります。そこで、過干渉すぎる上司と円滑に仕事をする方法を紹介します。
過干渉過ぎる上司と円滑に仕事をする方法
上司のマイクロマネジメントを改善する方法もありますが、今回はマイクロマネジメントを受ける部下側の立場でできることを考えてみましょう。
(1)自分に落ち度がないか考えてみる
過干渉過ぎると感じる上司だとしても、普段は「マイクロマネジメント」をしていない場合もあります。
あるBさんの例を出すと、「期限までに提出物を出さない」「1日のルーティン業務を完了させていない」――このような行動が続き信用を失い、上司はBさんの行動を細かくチェックするようになりました。
「何も言わなくてもやるのが当たり前」と放っておいても、Bさんはやってくれないので上司は「チェックするしかない」という状態になってしまったのです。
Iさんは今の部署に異動してきてから、「書類の提出期限に遅れたり」「商談に遅刻したり」など何か注意されたことはありませんか。
「実は異動してきてすぐ、期限までに資料作成が間に合わなかったことがあります。」(Iさん)
もしかしたら、その他にも仕事にミスがなかったか、など思い返してみてください。ミスが続いていない状態だとしても、今はまだ上司からの信用を得られていない状態かと思われるので、まずは信頼を得るために求められている結果を出していきましょう。
(2)先手をうつ
チェックされるのが嫌だったら、先に自分から報告してしまいましょう。「○日の○時にチェックしてください」と先に伝えてしまうのです。
ポイントは、チェック日を締め切りギリギリに設定するのではなく、途中経過の報告に合わせて早めに設定しておくと上司も安心できます。締め切り間際になって、全く方向性の異なる完成品を見せられても、修正が間に合いませんからね。
「自分でできること」を考えてみましょう
(3)上司が求めていることを確認してみる
上司に面と向かって「仕事に集中できないので細かいチェックはやめてください」と伝えるのは難しいと思います。そこで上司が、自分の仕事にどんなことを求めているか確認してみましょう。
「今の状態より良くなるためには何が必要か」「仕事にどんなことを期待しているか」など聞いてみてはいかがでしょう。上司の考えが理解できれば対処法が思い浮かびやすくなりますよ。
(4)マイクロマネジメントに慣れすぎないことも大事
過干渉な環境が続くと、上司にチェックされることが当たり前になって「嫌」という気持ちが消えてしまうことがあります。常に行動をチェックや管理されると、自分で何かを考えて自分で決めるといった行動ができなくなってしまいます。
たしかに、自分で考えないことはラクです。過干渉されることに慣れ過ぎないように「過干渉されるのは嫌だ」という気持ちも忘れずに仕事に取り組みましょう。
「上司が過干渉過ぎるな」と感じた時には、まずはそんな上司と円滑に仕事をするために、「自分でできること」を考えてみてはいかがでしょう。(ひろ子ママ)