就職活動や進路選択で高校生が感じる不安 トップは「自分のやりたいことが見つかってないこと」
一方で、この調査では高校生たちの就職活動の方法や進路意識についても質問した。
まず、進路希望を就職と回答した高校生(n=637)に、就職活動の方法を質問した。最多になったのは「学校に届く求人票の中から自分で探す予定」で「54.3%」、「学校に届く求人票以外にも調べる予定」が「27.9%」、「先生から紹介してもらう予定」が「27.3%」となった。
また、同じ対象者(n=637)に、就職活動や進路選択で不安なことはあるか聞くと、「自分のやりたいことが見つかっていないこと」が「41.0%」で最多に。次いで、「希望通りの進路に進めるか不安」は「35.3%」、「何をするべきか分からない」は「20.4%」、「夢や目標、目標にしたい人がいない」は「19.8%」という結果になった。
ジンジブでは、「インターネットやSNSが普及し、あらゆる情報が手に入る世の中にあっても、『自分のやりたいことが何か』は若者にとっての大きな悩みと言えそうです」としている。
以上の調査結果を受けて、同社は以下のように総括している。
「『自分のやりたいことが見つかっていないこと』に不安を感じる高校生が多数派であることから、高校生にとっては、どのように働くのかの具体的なイメージが分からない、世の中の職業について「知る」経験が必要と言えそうです」
「企業にとっては、高校生の興味関心を理解することで、採用したい職種を身近に感じてもらえる伝え方の検討や、身近に感じる分野や要素がある職種での採用育成を検討することが、若手人材の獲得のヒントにつながると考えられます」
この調査は2023年5月11日から6月27日までの期間で、同社主催の職業体験イベント「おしごとフェア」に来場した高校生にアンケートを実施した。対象者は高校1年生から高校3年生、そして定時制課程に通う4年生から1551人を調べた。対象者の内訳は、1年生321人、2年生310人、3年生848人、4年生72人だった。また希望する進路先は就職637人、進学463人、その他451人となった。
なお、高校生の就活は、大学生とは若干異なる。同社によると、一部の自治体をのぞいて、応募は一定期間一人一社ずつというルールがある。求人票の解禁日は7月1日。それから、9月までの約2か月の間で進路担当の教諭などと、どの企業に応募するのかを話し合って決めている。ただし、就活期間が短いことや、限られた情報のなかで、仕事や企業に対する理解不足がおき、就職後のミスマッチや早期離職が多いことが問題になっている。