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高校生のなりたい職業 人気業界は? 3位「宿泊・飲食・観光業界」、2位「サービス業界」...では、1位は?

   未来を担う高校生の「なりたい職業」とは?

   就職イベントなどを手掛けるジンジブ(大阪府大阪市中央区)は2023年7月20日、「なりたい職業」をテーマにアンケート調査の結果を発表した。「働きたい業界」は、1位に「製造・モノづくり産業」(24.3%)がランクインし、「なりたい職業」では「接客業」(17.0%)が1位に輝いた。

   この違いに同社は、「『働きたい業界』と『なりたい職業』に相違が見られるのは、さまざまな職業について『知らない』ことが多く、求人票だけでは自分が働くイメージを想像することが難しいことも関係しているのではないか」とみている。

  • 現役高校生に人気の職業とは?(写真はイメージです)
    現役高校生に人気の職業とは?(写真はイメージです)
  • 現役高校生に人気の職業とは?(写真はイメージです)

働きたい業界は1位「製造・ものづくり業界」、2位「サービス業界」、3位「宿泊・飲食・観光業界」

(ジンジブの作成)
(ジンジブの作成)

   「現役高校生が選ぶ 働きたい業界ランキング」によると、1位は製造・ものづくり業界(24.3%)でトップとなった。次いで、2位はサービス業界(19.0%)、3位は宿泊・飲食・観光業界(18.8%)という結果になった。

   つづいて、4位はIT・通信業界(15.4%)、5位は建設・建築業界(14.1%)、6位は公務員(13.5%)、7位は医療・福祉業界(12.4%)、8位は商社・小売り業界(11.5%)9位は「生活関連・エンタメ業界」(9.9%)、10位は「物流・運送業」(9.0%)という結果になった。

(ジンジブの作成)
(ジンジブの作成)

   つぎに、「現役高校生が選ぶ なりたい職業ランキング」によると、1位は「接客業」(17.0%)、2位は事務(15.5%)、3位は「ものづくり職人」(15.4%)となった。

   同社は、「接客は、高校生にとって身近な職業でもあり、『働いている人が魅力的』『楽しそう』『こんな大人になりたい』という働くイメージを想像しやすいことが1位の要因と言えそうです」とみている。

   また、「働きたい業界ランキング」の1位に「製造・ものづくり業界」、「なりたい職業ランキング」の3位に「ものづくり職人」が挙がったことを受け、

「ものづくり業界では、エンジニアやオペレーターよりも職人に票が集まり、業界のイメージのしやすさというよりも『職人』に対して魅力的に感じていると言えそうです」

   としている。

   このほか、4位が「イラストレーター」(13.2%)、5位が販売職(13.1%)、6位が「デザイナー」(12.6%)となった。

   以上2つのランキングに関して、ジンジブでは、

「高校生がより身近に感じる職業や好きなものに関わる職業に惹かれたり、『働きたい業界』と『なりたい職業』に相違が見られるのは、様々な職業について『知らない』ことが多く、求人票だけでは自分が働くイメージを想像することが難しいことも関係しているのではないかと考えられます」

   とコメントしている。

就職活動や進路選択で高校生が感じる不安 トップは「自分のやりたいことが見つかってないこと」

   一方で、この調査では高校生たちの就職活動の方法や進路意識についても質問した。

(ジンジブの作成)
(ジンジブの作成)

   まず、進路希望を就職と回答した高校生(n=637)に、就職活動の方法を質問した。最多になったのは「学校に届く求人票の中から自分で探す予定」で「54.3%」、「学校に届く求人票以外にも調べる予定」が「27.9%」、「先生から紹介してもらう予定」が「27.3%」となった。

(ジンジブの作成)
(ジンジブの作成)

   また、同じ対象者(n=637)に、就職活動や進路選択で不安なことはあるか聞くと、「自分のやりたいことが見つかっていないこと」が「41.0%」で最多に。次いで、「希望通りの進路に進めるか不安」は「35.3%」、「何をするべきか分からない」は「20.4%」、「夢や目標、目標にしたい人がいない」は「19.8%」という結果になった。

   ジンジブでは、「インターネットやSNSが普及し、あらゆる情報が手に入る世の中にあっても、『自分のやりたいことが何か』は若者にとっての大きな悩みと言えそうです」としている。

   以上の調査結果を受けて、同社は以下のように総括している。

「『自分のやりたいことが見つかっていないこと』に不安を感じる高校生が多数派であることから、高校生にとっては、どのように働くのかの具体的なイメージが分からない、世の中の職業について「知る」経験が必要と言えそうです」
「企業にとっては、高校生の興味関心を理解することで、採用したい職種を身近に感じてもらえる伝え方の検討や、身近に感じる分野や要素がある職種での採用育成を検討することが、若手人材の獲得のヒントにつながると考えられます」

   この調査は2023年5月11日から6月27日までの期間で、同社主催の職業体験イベント「おしごとフェア」に来場した高校生にアンケートを実施した。対象者は高校1年生から高校3年生、そして定時制課程に通う4年生から1551人を調べた。対象者の内訳は、1年生321人、2年生310人、3年生848人、4年生72人だった。また希望する進路先は就職637人、進学463人、その他451人となった。

   なお、高校生の就活は、大学生とは若干異なる。同社によると、一部の自治体をのぞいて、応募は一定期間一人一社ずつというルールがある。求人票の解禁日は7月1日。それから、9月までの約2か月の間で進路担当の教諭などと、どの企業に応募するのかを話し合って決めている。ただし、就活期間が短いことや、限られた情報のなかで、仕事や企業に対する理解不足がおき、就職後のミスマッチや早期離職が多いことが問題になっている。