社長の考えに異を唱える者がなくなり、イエスマンばかりになったら「黄色信号」
ひるがえって中小企業でもし、同じように社長の強権経営によるコンプライアンス違反行為があったらとしたらどうでしょう。
そこにあるのは、行為そのものの社会的影響力の大小だけの違い。行為が持つ意味合いは全く同じです。ビジネスにおける虚偽や不法行為、社内におけるパワハラや脅迫行為などは、外にわからなければいいのではなく、会社というものが社会的存在である以上、あってはならないことに違いはないのです。
社長自身が自分の胸に手を当ててみて、自分がワンマン経営者でかつ現在、社内に誰も社長の考えに異を唱える者がなくなり、イエスマンばかりが目に付くように感じたら、それは「黄色信号」です。
一般的な中小企業においては、監査役は存在せず、社長以外の取締役も名ばかりで経営の監視役にはなっていないケースが大半でしょう。すなわち、社長自身が自らを律する気持ちがなければ、いつビッグモーターと同じ轍を踏んでもおかしくないのです。
今回一連の不祥事報道は、すべての中小企業経営者に対する警鐘でもあると感じた次第です。(大関暁夫)