新卒採用向け「採用動画」つくっていますか? 利用する中小企業の8割、「課題」を実感...「自社の良さが伝わりきっていない」

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   中小企業の経営者・役員に、「新卒者向けの採用動画を制作、利用しているか」と聞いたところ、57.0%の経営者・役員が「利用している(はい)」と答えていたことが、動画マーケティング総合支援サービス「CINEMATO」(シネマト)を運営するEXIDEA(東京都墨田区)の調べでわかった。2023年8月1日の発表だ。

   また、そのうちの約8割が、「自社の良さが伝わりきっていない」、「コンセプト設計ができていない」といった採用動画への課題を実感していることが浮き彫りになった。

「採用動画を制作、利用している」中小企業は約6割にのぼる

   調査によると、中小企業の経営者・役員に、「あなたの会社では、新卒者向けの採用動画を制作、利用していますか」(n=100)との問いに、「はい(利用している)」と答えた人は57.0%、「いいえ(利用していない)」が41.0%となった。「わからない、答えられない」は2.0%。

   約6割の中小企業が新卒者向けに採用動画を制作、利用していることがわかった。

   採用動画を「制作、利用している」と答えた経営者・役員(n=57)に、「あなたの会社で、新卒者向けの採用動画を利用している理由を教えてください」(複数回答)と聞いたところ、最も多かったのは「新卒の応募数を増やすため」で、73.7%の人がそう答えた。

   次いで、「欲しい人材へアプローチするため」と答えた人は50.9%、「企業のイメージアップのため」が49.1%、「情報を正確に伝えるため」が45.6%、「承諾率を向上させるため」が33.3%と続いた。

   「就活生へ安心感を醸成させるため」と答えた人も24.6%、「採用工数の削減のため」とした人は14.0%だった。「わからない、答えられない」は1.8%。【図1参照】

図1 あなたの会社で、新卒者向けの採用動画を利用している理由を教えてください(複数回答、「CINEMATO」調べ)
図1 あなたの会社で、新卒者向けの採用動画を利用している理由を教えてください(複数回答、「CINEMATO」調べ)

   採用動画を「制作、利用している」と答えた経営者・役員(n=57)に、「採用動画を制作、利用しているうえでの課題がありますか」と聞いたところ、「かなりある」と答えた人が29.8%、「ややある」が45.6%と、合わせて75.4%の中小企業の経営者らが、「採用動画の制作、利用に課題がある」と答えた。

   「あまりない」は21.1%、「まったくない」と答えた人は1.8%。「わからない、答えられない」は1.8%だった。

   「(課題が)かなりある」「ややある」と答えた経営者・役員(n=43)に、「あなたの会社で、採用動画を制作、利用するうえでの課題を教えてください」(複数回答)と聞いたところ、「自社の良さが伝わりきっていない」と答えた人は53.5%で最も多かった。

   次いで、「コンセプト設計ができていない」が48.8%、「応募数の増加までつながらない」と「効果的な動画作成のノウハウがない」がともに44.2%で続いた。「他社との差別化が難しい」と答えた人は27.9%だった。【図2参照】

図2 あなたの会社で、採用動画を制作、利用するうえでの課題を教えてください(複数回答、「CINEMATO」調べ)
図2 あなたの会社で、採用動画を制作、利用するうえでの課題を教えてください(複数回答、「CINEMATO」調べ)

   さらに、「採用動画を利用するうえでの課題があれば、教えてください」(自由回答、n=43)との問いに、

「自分たちでやるのは限界がある」(37歳)
「動画のクオリティ」(33歳)
「採用対象者の年齢層が幅広くなり、アプローチが難しい」(63歳)
「制作に時間を取られる」(53歳)
「外国籍の新卒者への多言語化」(57歳)

   といった回答があった。

「採用者の生の声を伝えたい」!

   また、新卒者向けの採用動画を制作、利用していない中小企業のうち、6割以上が「今後制作・利用してみたい」と回答

   また、新卒者向けの採用動画を利用していますかとの問いに、「いいえ」と答えた経営者・役員(n=41)に、「あなたの会社で今後、採用動画を制作、利用してみたいと思いますか」と聞いたところ、「非常にそう思う」と答えた人は17.1%、「ややそう思う」が43.9%にのぼり、合わせて61%が「そう思う」と答えた。

   「あまりそう思わない」は22.0%、「まったくそう思わない」と答えた人は14.6%。「わからない、答えられない」は2.4%だった。

   このうち、「そう思う」と答えた経営者・役員(n=25)に、「あなたの会社で今後、採用動画を制作、利用してみたいと思う理由を教えてください」(複数回答)と聞いたところ、「企業の価値観を理解してもらうため」と答えた人が84.0%と、最も多かった。

   次いで、「入社後のミスマッチ防止のため」が52.0%、「企業の知名度を向上させるため」が48.0%、「応募者の数を確保するため」と答えた人が36.0%で続いた。「人的リソースの節約のため」が12.0%、「他の企業も利用しているため」と答えた人も8.0%あった。【図3参照】

図3 あなたの会社で、今後、採用動画を制作、利用してみたいを思う理由をおしえてください(複数回答、「CINEMATO」調べ)
図3 あなたの会社で、今後、採用動画を制作、利用してみたいを思う理由をおしえてください(複数回答、「CINEMATO」調べ)

   さらに、「今後、採用動画を制作、利用してみたいと思う理由」を自由回答で聞いたところ、

「採用者の生の声を伝えたいから」(54歳)
「短い時間で理解してもらうには有用」(59歳)
「口頭で説明するよりも、動画のほうが伝わる」(38歳)
「経営理念などを丁寧に説明したいから。職場の雰囲気を知ってほしいから」(48歳)
「イメージ向上策として」(41歳)

   といった声が寄せられた。

採用動画の制作に取り入れたい要素は?

   調査では、新卒者向けの採用動画を制作、利用していますかとの問いに「はい」と答えた経営者・役員と、「いいえ」と答えた人のうち、「非常にそう思う」と「ややそう思う」と答えた人(n=82)を対象に、「採用動画を効果的に利用するために、今後、採用動画の制作で取り入れたい要素」(複数回答)を聞いた。

   それによると、最も多かったのは「一貫したコンセプトの明確化」で、50.0%の経営者・役員が、そう答えた。次いで、「採用マーケティング戦略」が47.6%、「採用活動の全体像を可視化」が34.1%、「ハイクオリティな動画制作」が30.5%と続いた。

   また、「コンサルティングによる課題の発見」と答えた人が、28.0%あった。「わからない、答えられない」は2.4%だった。

図4 採用動画を効果的に利用するために、今後、採用動画の制作で取り入れたい要素を教えてください(複数回答、「CINEMATO」調べ)
図4 採用動画を効果的に利用するために、今後、採用動画の制作で取り入れたい要素を教えてください(複数回答、「CINEMATO」調べ)

   なお、調査は新卒者を5人以上、かつ5年間以上を毎年採用している中小企業(従業員300人以下)の経営者・役員を対象に、2023年7月13日?14日にインターネットで実施した。有効回答者数は100人。

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